昔話 織姫(美花)と彦星(有夢)

 昔々、天の川のそばには一人の神様が住んでおりました(その役は翔がする事に)。

 その神様には一人のと娘が居りました。その娘の名は織姫(美花)と言いました。


 彼女は学業・成績優秀、スポーツ万能、絶世の美女で男共にはモテモテという完璧なスペックを持っていました。


 彼女には一人の幼馴染が居ました。名を彦星(有夢)という、若者です。

 彼はまるで美少女のような少年で、女装や化粧をしなくても女の子に間違われる事は珍しくありませんでした。

 

 有夢はとても立派な若者で、神様達の着物やその他諸々を一人で作り続ける仕事をしていました。天の野牛などを狩ってもいました。


 織姫(美花)が年頃になったので、神様(翔)は婿をとらせる事に決めました。



「なあ美花。お前、婿さんは誰がいいんだ? モテるんだし、より取り見取りだろ」

「もう、お父さんったら…。わ…わかってるでしょ?」

「ああ、有夢だろ? わかってるって。結婚式に絶対呼べよな!」

「……わふぅ。アナタ、親なのだらか結婚式に呼ばれるのは…当たり前みたいなものだろう?」

「ははっ…そうだな!」



 どうやら彦星を婿にもらう事に決まったようです。

 これには織姫の事が好きだった人を含む皆んなが納得しました。

 ちなみに途中で出てきたもう一人の女性は神様の奥様です。



「わ…私、有夢の事が大好きです! ずっと大好きでした! 結婚前提でお付き合いしてください!」

「えっ!?」

「(神は言っている、ここで断る定めではないと)」

「お…俺も昔から…。俺でいいなら……。よろしくお願いします」

「ほ、ほんと? えへへ…嬉しい…!」



 織姫と彦星は幼馴染だという事もあり、1年のお付き合いをへて、無事にゴールインしました。

 彦星があまりに女の子ぽかったため、二人並んで歩いていてもカップルだと思われる事が少ないことが難点でしたが…(織姫と彦星二人ともが同時にナンパされる事もしょっちゅう)。

 とにかく、結婚した二人はとても楽しく生活を送りました。



「えへへ、好きだよー。有夢!」

「俺もだよ、美花!」



 毎日こんな調子でした。

 新婚だと言える時期を過ぎてもこんな調子でした。

 しかし、結婚してしばらくしてから、主に彦星が仕事もせず、RPGばかりをするようになったのです。


 これには美花も困ったものでした。その間、全く彦星が構ってくれないからです。

 一方、神様も呆れていました。



「おい、馬鹿野郎。お前はゲームばっかりして、どうやって美花を養ってく気だ。それでも男か。それに有夢が服とか高級料理とかつくんねーから、皆んな困ってんだろーが」

「いや、翔。その言い分はおかしい。それならこっちにも言い分があるからさ。訊いてよ」

「なんだよ」



 有夢はなにかの枷が外れたかのように、自分が働かない理由、自分が働かなくても大丈夫な理由を話し始めました。



「まずあのね、ここらへん地域全部の服のシェアは100%俺が作ったやつなの。それは知ってるよね?」

「おう」

「服だけじゃなくてさ、家を建てるのも俺だし、皆んなの武器や金物を作るのも俺なの。さらに俺は狩り仕事やレストランも経営してる。なんでも屋も始めた」

「そうだな」

「でね? 皆んなが俺のこと頼るから、俺は超大金持ちなワケ。一生働かなくても余裕すぎるどころか人生を二人合わせて20回おくっても問題ない。それに、仮に子供が10人以上俺と美花の間にできたとしても全員医大行って大学院出て医者になったとしても、財産は20分の1も減らない。ここまでは良いよね?」

「お……おう」

「結論を言うと俺に頼りすぎ。俺はもう死ぬ程働いたから、もうちょっとやそっとじゃ働かないよ。……て、いうわけだから」

「はい、すいませんでした」



 それは全て事実であり、ぐうの音も出ない神様はしょんぼりしましたが、ゲームを止めさせる方法だけはなんとか思いつきました。



「働かない理由はわかった。それは完全に俺らが悪かった。…だがな有夢。美花が寂しがってるぜ? 『有夢が最近、ゲームばっかりで構ってくれないの!』つって、俺に相談してきたんだ」

「毎日半日は一緒に居て、エッチも毎日して、1日のうちにキスやハグなんてそれぞれ50回以上はしてるのに!?」

「ああ、そうらしいぜ」

「わかった、ちょっと美花と話してみるわ」



 彦星は神様を帰らせ、織姫と今後について相談をしました。



「ねえ、美花。俺が毎日ゲームしてる話なんだけど…」

「うん」

「俺がゲームしてるのはそんなに嫌?」

「うんっ…嫌。私の大好きな有夢がゲームに取られちゃうみたいで嫌なの…。もっと私と一緒に居て、ね?」

「…ん、わかった。もうゲームはしないよ」



 彦星はやはり織姫の方が大事なのでそう言いました。

 しかし、織姫は彦星の少し残念そうな顔を見て可哀想に思い、こんな提案をしました。



「でも、毎日午後7時7分から7時間7分間だけならして良いよ?」

「なんでそんな中途半端な時間なの?」

「…なんとなく」



 それから彦星は1日に1度だけできるゲームを楽しみにして、毎日、織姫とリア充ライフを楽しみました。

 織姫もその時間帯に一緒にゲームをするようになりました。


 

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「ふえっ!?」

「どうしたの? ミカ」

「いやなんか…また変な夢見た」

「また? どんな夢だったの?」

「なんかね…私と有夢がほぼ毎日イチャイチャして充実した生活を天の川でおくる夢」

「天の川…? まあ、そこに居るって以外は今とそんな変わりないような…」

「そうだね。えへへ」

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