第131話 3対3

 俺はカルアちゃんのところに向かったが、三頭の男がラリアットの様に腕を振りかぶって、それを阻止しようとしてきた。


 その時、奴の腕に矢が刺さり、俺はカルアちゃんの元に行くことができた。

 ミカが放った矢だ。俺に当たらないよう、威力は大分抑えてるみたいだが……。



「ってーっ!………おい、小娘なにしやがる。そんなに俺にメチャクチャにヤられたいのか? ん?」

「さあね、でも、殺られるのはあなたよ」

「はっはー! ガキのくせに大した奴だ! 勝てる気でいやがる! メスは俺と戦っても絶対勝てねぇのによぉ! ………どう考えてもお前、清純だよな、まだ。いいぜ? このアスモデンス様が…テメェの大事なもん、ぶっこわしてやんよ」



 すこし、アスモデンスとかいう奴の言動が気になるが…ここはミカに任せよう。


 俺はうずくまっているカルアちゃんに話しかける。



「カルアちゃん、カルアちゃん。大丈夫?」

「あれ……アリム……ちゃん?」

「そうだよ、カルアちゃん。助けに来たよ!」

「あ……あ…アリムちゃん…!!」


 

 カルアちゃんが俺に抱きついてきた。俺は抱きしめ返してやる。



「………う………」



 その途端に、アスモデンスでない方の悪魔から俺らに向かって針の様なものが横殴りの雨の様に飛んできた。どうやら全て毒を含んでいるようだ。


 ……が。


 すべての針は一瞬にして"金"に変わってしまった。

 これはおそらく、彼の仕業だろう。



「おっと、君の相手はこのボクだよ……レディ?」

「……………!? …………」

「はぁ…なんて言ってるかわかんないよ。ぼくには本来、女性を痛めつける趣味はないんだけどね…でも、君は敵だから。容赦しないよ」



 あの悪魔はバッカスさんに任せよう。とりあえず、俺はカルアちゃんを介抱してここから出さなければ。

 そのあと、あの二人に合流すればいいね。



「さ、カルアちゃん立てる?」

「え、ええ……大丈夫です」



 俺はカルアちゃんを立たせ、手を引き、ここから出ようと行動を起こそうとした。


 その時、俺らの周りに何かが渦巻いているのを感じ取った。

 それはまるで煙のようで…生き物のような…。

 また、俺はこれを何処かで見たことがあるような気がする。


 その煙のようなものは、だんだんと蔓延し、増えていく。俺らの周りを取り囲む。

 そして、一部が集結、巨大な鎌のような形になり、俺らに襲いかかってきた。


 その鎌をとっさに盾を作り出して防ぐ。あまりよくイメージしなかったため、市販の盾程度の代物になってしまったが、攻撃を防ぐには十分だろうと考えていた。その時は。

 

 鎌がその盾に触れる。

 すると、その触れた箇所からその盾が煙と化してしまったではないか。これは俺でも、当たったらやばいかもしれない。


 そんな間にも煙はさらに集結していき……だんだんと人型になっていく…。

 そうして目の前に現れたのは現れたのは、サーカスに居るような、道化のような姿の男。



「あんれぇ? 今のは当たったと思ったんですがねぇ? 赤髪のお嬢さん」



 妙に粘っこい商売癖のある喋り方だ。

 やはり、こいつら俺のこと知ってるのだろうか?

 だとしたら、何故、俺のことを知っている?



「やっぱ、一筋縄じゃあ行きませんかねぇ…。あ、そうそう。申し遅れました。俺の名前はメフィストファレス。以後、お見知りおきを」


 

 こいつが、俺らが捉えた悪魔が言っていた、現在の悪魔達をつべている者、メフィストファレスか。

 



「ねぇ、なんでボクのこと知ってるの?」

「それはですねぇ? 貴女は予言されてたのですよぉ~! 俺たちの仲間には予言者が居ましてねー。彼が予言したんです。300年前に。『赤髪の少女が悪魔神様を解放できる道具を作れるだろう……』ってね」



 成る程、予言ね。

 というか、それ、300年前からあの時、死んでアリムになる運命だったってことか?

 そんなに前から俺が死ぬことは決まってたのかよ…。

 まぁ、それはともかく置いといて、こいつらに一つ忘れてることを突きつけてあげよう。

 俺は協力しないってことをな。



「で、協力するとでも思ってるの?」

「そ、そうですわ! アリムちゃんが悪魔神の復活に協力するわけ…」

「それがするんですよぉー! するんです。この契約と知略の力を持つ、俺によって…ね」



 彼はその手に持っている、巨大な鎌を俺たちめがけて振り下ろした。



「しかしまずは…姫様を返していただきましょうか。力ずくで」

「させるはずがないでしょ? この一瞬でボクは君を消し飛ばすことなんて安易なんだ」

「へぇー。強気ですねぇ…これならばいかがでしょーか?」


 

 奴はまた煙化し、再集結した。…今度は7人、道化姿の男が現れる。



「「「「「「「ふふふふ、この俺はね、本体じゃないんですよー! あ、あと俺の鎌に触れたものは全て煙化しますし、俺自身が触れたものは、たとえ俺が分身体であろうと、『強制契約』ができますからねぇ…」」」」」」」



 強制契約…なるほど、それで俺に作られせるってのね。名前からして、強制的に何かをさせる技に決まってる。

 どっちにしろ向こうが有利な技なのはたしかでしょ。


 あいつら7体の誰に触れてもいけない。

 カルアちゃんも、もちろん触れたらいけない。契約させられて、なにをされるかわからないからね。

 さて、どうするか。

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