第122話 ミカとカルア

 おはよう。

 今日はミカとお城に行く日。ミカの分の立派な服も準備してるし問題はないだろう。

 


「ミカ、準備はできてる?」

「うん…ぁぁ…でも緊張する…」

「大丈夫、割とフレンドリーだから皆さん」

「うぅ…アリムはそういうけどさ…」


 

 まぁ、そうだよね。仮にも王様と会うわけだし。緊張するのは仕方ない。



「さぁミカ、行くよ」

「うん…」



 俺らは新居からでて、徒歩五分の城へと向かった。

 やっぱり、人に見つかったら時間取られちゃうから透明になって行く。


 城門までたどり着き、身分証代わりに、門番に俺とミカのギルドカードを見せた。



「お待ちしておりました、どうぞ、お通り下さい」



 そう言われ、俺らは場内に入れられる。

 そこにはすでにカルアちゃんと大臣さんがスタンバイしていた。



「アリムちゃん、いらっしゃい。ミカ様、初めまして、私はメフィラド王国の姫カルアと申します」

「私はオラフル。大臣を務めていますぞ」

「あ、あ……ど、うも、ミカと申します」



 ミカー、緊張しすぎだぞ! モジモジしてるの可愛いけれど。



「ハハハハハ、ミカ殿そんなに緊張する必要はありませんぞ」

「そうですわミカ様。さ、お父様が待ってます。SSランカーになった証を授与してもらってください」

「ひ、ひゃいっ!」



 俺らは大臣さんについていく。ミカはまだ緊張してる。

 気をなだめさせるために、こっそりと背中をさすったりもしてみる。



 連れられた先は王座前。王様が玉座に座っている。




「おお、アリムよ。SSランカーになったんだってな。それにパーティまで結成しすでにそれもSSランク。ははは、お主は本当に伝説を作るな」

「はい、ありがとうございます」

「うむ、これからも精進しなさい。して、ミカと言ったかな?」

「は、はいぃぃ」



 緊張で声が上ずってる。

 ここまでミカが緊張してるのを見たのは、高校受験の時以来だ。

 


「はは、そんなに緊張することもない。パーティメンバーとしてアリムを支えるのだぞ」

「はいっー!」

「して、噂によればミカも齢は12と聞くのだが?」

「はい、そうです…」

「娘も13になったばかりでな。どうか仲良くしてくれ」

「…もちろんですともっ!」


 

 王様、やっぱりいい空気作るの上手だなー。

 カリスマ性あるんだよね、この人。

 やっぱり。



「さて、アリムとミカよ。『ジ・アース』SSランク、アリム・ナリウェイSSランカーになることを、ここにメフィラド王国国王が認めよう」

「「ありがとうございます!」」



 王様は立ち上がり、こちらに近づいてくる。



「さて、普通の認証式ならばその冒険者に昼食をご馳走したらすぐ返すのだがな。お主らは特別じゃ。今日1日城に泊まると良い。……まぁ、アリムは普通に遊びに来とるがな」

「はい、いつものようにお邪魔になります」

「は、はぃぃ」


 

 俺らは王座の前から去り、カルアちゃんの部屋に直行する。



「カルアちゃん! 来たよー!」

「アリムちゃん! ミカ様もようこそいらっしゃいましたっ。私の部屋へ!」

「お、お邪魔します…」


 

 俺がカルアちゃんの部屋に入った瞬間、メッセージで王様に厨房に呼び出された。



[アリムよ、また料理を作ってくれんか]

[え? は、はい]



 俺の料理だと!?

 ……あぁ、なるほど。すでに仲がいい俺との仲介をなくし、直接二人を仲良くする作戦だな?

 それとも単純に俺の料理が食べたかったのか?



「ごめん、カルアちゃん、ミカ。国王様から呼び出されちゃった。厨房に行ってくるから、じゃあねー」


  

 そう、一言断ってから俺は王様の元に料理を作りに行く。



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 ひゃー! 姫様と二人っきり!?

 えぇー。緊張するよぉ…。

 と、とりあえず、声をかけてみよう! うん。



「カ…カルア様っ!」

「は…はい、なんでしょう! ミカ様」

「あの、アリムとはどう知り合ったんですか?」

「アリムちゃんですか? 大会優勝者との会食の時からの仲なんですよ!」



 武闘大会で優勝した時の食会ね。

 それで知り合ったのか。

 となると、アリムとは1~2ヶ月の付き合いなんだね。



「ミカ様は?」

「私とアリムは幼馴染なんです。2歳くらいから一緒で……」

「そ、そうなんですか! じ、じゃあアリムちゃんのこと色々聞いても?」

「ええ、どうぞ!」



 あれ、案外仲良くなれそう。

 友達が居ないとか、アリムは言っていたけれど、案外、話を進めやすい娘じゃない。



「じ、じゃあアリムちゃんの好物はなんですか?」

「アリムの大好物は…ステーキですね」

「まぁ、ステーキ! なかなか食べ応えがあるものが好きなんですね!」

「そうなんですよ!」

「ところでミカ様……いいえ、ミカちゃんでいいですか?」



 おお、積極的。もちろんいいに決まってる。



「はい、えーっと…カルア…ちゃん!」

「ふふ、ついでに敬語もなくしていただけると嬉しいんですが」

「えぇっ!? あ、はぃ……うん。うん!わかったわカルアちゃん」



 うー…なかなか難しいなぁ。

 だけれども、カルア……ちゃんが、その方が良いって言ってるし、そうした方が良いよね。



「そうそう、そんな感じです! いいなぁ……ミカちゃんみたいにずっとアリムちゃんと一緒に居ると、さぞ頬っぺたをプニプニし放題なんでしょうね!」


 ほっぺたプニプニぃ!?

 え、なにそれ。初耳。



「え? なんです……なにそれ?」

「え…アリムちゃんのほっぺたプニプニしたことないんですか!? 損してますよ! 是非ともさせてもらうべきです」

「そんなに…?」

「そんなに」



 な、なによそれ。戻ってきたらいっぱいプニプニしてやるんだから…。

 なんで今までそれを…教えてくれなかったのかしら?

 その時、カルアちゃんの部屋のドアが開かれる。そこに居たのはアリム。


 私は彼女に飛びかかり、頬っぺたをプニプニしまくった。

 成る程、アリムはほっぺたプニプニは嫌なのね。

 でも、私はやめない。

 癖になりそう。



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 なんだ、なんだ?

 いきなりミカが頬っぺたプニプニをムシャぶりつくように迫ってきたぞ!?


 カルアちゃんめ、なにか吹き込んだな。



「ひゃ、ひゃめちぇミカ…プニプニにゃめてぇー」

「本当に気持ちいい! すごいね、アリムの頬っぺた! ね、カルアちゃん!」

「でしょう? 触りごこちがまたなんとも……」



 とりあえず、二人がかなり打ち解けてて良かった。良かったけどさ……プニプニやめよ?

 二人してプニプニしてくるの。


 俺、ご飯ができたって、呼びに来ただなのにね。

 

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