▼宇宙の艦船

※このコーナーでは本作品に登場する航宙艦を紹介していきたいと思います。

まだ本編に書かれていない情報もありますが、本編をお楽しみいただく妨げにはならない内容となっております。

よろしければ一読してみてください。





【SSDFの主な艦艇】


〈VS‐802じんりゅう〉 俗称・二代目〈じんりゅう〉

◇正式名

 SSDF第8艦隊・VS第2戦隊旗艦・汎用高機動航宙戦闘母艦

 〈じんりゅう〉級二番艦‐〈じんりゅう〉


 初代艦長 テューラ・ヒュウラ

 現艦長  秋津島・ユリノ


◇基本概要

 グォイド初遭遇時、オリジナルUVDを偶然回収したSSDF日本艦隊が、人類圏各国家間勢力からの譲渡要請を受け流しつつ、最も無難で軋轢を起こさない用途での使用先を検討した結果、人造UVD開発の為の各種実験とデータ取得を行う目的で建造し、その操艦を【ANESYS】適正をもつ少女に任せたオリジナルUVD搭載実験艦〈VS‐801じんりゅう〉。

 その船体が、オリジナルUVDの大出力に耐えきれなかった際の予備の船体として建造された未命名の同型艦が、後の〈VS‐802じんりゅう〉俗称二代目〈じんりゅう〉である。

 その建造経緯から、基本フレームや主機関室回りなどは初代〈じんりゅう〉とまったく同じ設計となっており、ケレス沖会戦時は、直前に回収したオリジナルUVDの現地換装を可能とした。


 初代〈じんりゅう〉と同時に建造はスタートされたものの、戦況の悪化に伴い初代〈じんりゅう〉の完成が急がれた為、搭載予定の各種パーツが初代〈じんりゅう〉の方に優先して回された結果、完成度六〇%状態で長らく放置されていたが、初代〈じんりゅう〉の戦没に伴い、人造UVDを主機関とすることで完成させられ、〈じんりゅう〉の名を継ぎ就役にいたった。

 その建造経緯から、二番艦であるにもかかわらず、〈じんりゅう〉級三番艦〈ファブニル〉、四番艦〈ジュラント〉の後での就役となっている。


 元々オリジナルUVDを用いた各種実験を行う為に建造された関係上、単艦であらゆる実験を行う為に、UVキャノンによる砲撃能力や雷撃能力、十五機の艦載機母艦能力が船体に押し込まれている。

 それらは、オリジナルUVDがグォイドの手に落ちる事態を防ぎ、操艦を任された【ANESYS】適正をもつ少女クルーの貴重な人材を守る為の防御策の意味もある。


 初代〈じんりゅう〉戦没時にオリジナルUVDも失われた為、就役時の二代目〈じんりゅう〉主機関には、他の〈じんりゅう〉級航宙艦と同じように、初代〈じんりゅう〉によるオリジナルUVD実験で得たデータを元に新開発された大型人造UVDが搭載されている。

 その結果として初代〈じんりゅう〉よりも主機関の総UV出力では劣るはずであったが、後発艦である分、各UV機器の使用効率が大幅に進歩している為、実戦に耐えうる分のUV出力は確保されている。


 第五次グォイド大規模侵攻迎撃戦時に、紆余曲折を経て初代〈じんりゅう〉搭載のオリジナルUVDが再搭載され、効率の上がったUV機器と合わせて使用した結果、満身創痍となったものの単艦でケレス沖会戦での勝利を得る程の戦闘力を発揮した。

 SSDF第五次グォイド大規模侵攻迎撃戦総括会議の結果、二代目〈じんりゅう〉は大幅な改修が決定され、最新のUV機器を搭載し、オリジナルUVDの出力を最大限に発揮可能な人類圏最強の航宙艦へと生まれ変わった。


 初代と二代目〈じんりゅう〉の主な相違点として、【ANESYS】の統合率をあげる為、二代目〈じんりゅう〉では、初代〈じんりゅう〉で約二〇〇名いた操艦クルーを、本格的に【ANESYS】適正を持つ十名前後のVS艦隊の少女クルーのみに任せることに変更になっている。

 その結果、艦内の居住区もクルー数に合わせて大きく縮小されている。

 空いたスペースはUVキャパシタ、ミサイル格納庫・水貯蔵タンクとして使用されるようになっており、それは艦の攻撃力と防御力の強化に繋がったが、同時に通常航宙中のクルー達の負担を増やすことにもなった。

 その問題についてはヒューボットを大量搭載することで対処している。

 また外観上の相違点として、二代目〈じんりゅう〉では艦首にフィギュアヘッドとして、初代〈じんりゅう〉艦長の秋津島レイカをモデルにした女神像が飾られている。

 


◇外見的特徴

 太陽熱吸収防止の為のパールホワイトを基調としたカラーリング。

 敵攻撃やデブリの衝突、破壊した敵艦の爆煙等から自艦が守る為に艦首を除き上下対称な流線型をした主船体に、艦首側上下二対、艦尾側上下一対の主砲搭を搭載。

 船体中央上下に、対宙レーザー砲塔群、探査・索敵機器類が詰め込まれた巨大な紙飛行機のような三角形のセンサーセイル・モジュール、各種ミサイル発射管とアンテナマストが密集している。

 その姿はかつての洋上戦艦を、喫水線から上同士で貼り合わせたかのような姿である。

 艦尾は中心部に円筒状メインスラスター。そのまわりに独立した補助エンジンナセル四基が、大昔の化学燃焼式ロケットから変わらぬスタイルでX字型に囲んで配置されている。

 洋上艦の艦首そっくりな上下に反り返った艦首部分は、上部艦首が対宙レーザーと各種センサー類が収まり、フィギュアヘッドが据え付けられ、鋭くスマートなフォルムなのに対し、下部艦首には対艦ミサイルの電磁加速発射管が内臓されている為若干太ましくなっている。

 艦首喫水線部左右には、唐突に真横にのびる翼状支持架パイロンの先に可動式ベクタード姿勢制御スラスターユニットが取り付けられており、そのおかげで、上下から見ると艦首がまるでシュモクザメのようなシルエットとなっている。

 一見すると上下対称に見える艦だが、艦首のシルエットの違いの他、艦のそこかしこに、まるで古代魚のヒレのように生えている放熱翼の配置と形状の違い、艦上部セイルの根基に設けられた目視用ブリッジから、艦の上下を見分けることが出来る。




◇基本スペック

▼全長350メートル ・全高一五〇メートル ・全幅一五〇メートル (アンテナ類を除く)

 

▼全装総重量 

 (改修前)約九万トン 

 (改修後)約八万二千トン


▼搭載装備

・主武装

 (改修前)四五口径〈※〉五二センチUVキャノン単装砲塔×六基・計六門

 (改修後)四五口径〈※〉五二センチUVキャノン連装砲塔×六基・計十二門

※あくまで砲身の砲塔から露出部分のみの数値であり、UVEの加速は砲塔直下のバーベットリング内の螺旋状シンクロトロン内で行われる。


・ミサイル発射管

 一二〇センチ対艦ミサイル用電磁式加速発射管 艦首×六基

                       艦尾×四基

 七〇センチ十二連対艦ミサイル発射キャニスター×四基・計四八基


・対宙レーザー砲塔群

 進路確保用高出力照射タイプ 艦首×四基

               艦尾×四基

 舷側球状無砲身パルス発射方式 左右上下両舷各五基・計二十基

 円柱砲塔有砲身照射タイプ 左右上下両舷各三基・計十二基


・防御装備

 UVシールド・ジェネレイティンググリッド 船体各部全十二基


・その他

 チャフ‐フレア・ディスペンサー多数

 伸長式有人飛宙機用電磁カタパルト 艦尾上下部・計二基

 六連リボルバー式無人飛宙機格納庫 計二基

 無人飛宙機用開放型電磁カタパルト 艦両舷・計二基

 主スマートアンカー  艦首二基

 予備スマートアンカー 艦尾二基


▼艦載機

 有人飛宙戦闘攻撃機 昇電TMC 一機

 無人飛宙戦闘攻撃機 セーピア  十二機

 短距離移動用シャトル 一機

 大気圏降下用シャトル 一機


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