登場人物の仕草、言動が少々誇張し過ぎでは?、と感じる部分が幾つか有ったのだけど、それが事件解決のヒントだったんだ、と読了後に納得してしまう。推理小説作家エラリー・クイーンっぽい書き方だったんだ、と感心しました。WEB小説にしては凝ってます。
本題には無関係な事を書き連ねると、
何故ヒロインを胸ペチャと設定したのか? 巨乳の友人に協力させるため? 巨乳の友人は、密かに優越感から協力していたのか?
或いは、ヒーローは本当に待受画面の人物に心を寄せていたのか? そんなキャラだから、ヒロインは胸ペチャなのか?
みたいに、くだらぬ点に注意を払うと、結構楽しめます。
センスの滲み出るコピーに惹かれ、一気に読み切ってしまいました。
気づいたら朝5時半。
読みやすく、情景が思い浮かべやすい文体のおかげで、物語へ没入することができました。
ぼくはミステリを推理しながら読むことがないので、トリックの巧拙についてはよくわからないのですが、単純に青春モノとして見ても面白い。
ぼく自身は女子高生だったことはないし、これからなることもないのでアレなんですけど、鮎の敷島に対する微妙な感情の揺れが丁寧な文体で表現されていて、もう本当にアレでした。
戻りたい、青春に。
これは作者が狙ったことかどうかはわからないんですけど、この「あまずっぺぇ〜」みたいなの、二人の持つ時代遅れの“ケータイ”のせいもあると思うんですよね。
ぼくたちおじさんは、高校時代携帯っつうとアレでしたもんね。パカパカ。懐かしい。
そういうわけで、ぜひとも青春を失った30代前後のくたびれた大人たちにこそ、この作品をお勧めしたい。
ぼくはそう思います。