秦の誓い

作者 Rona Nakanishi

始皇帝の功罪とは

  • ★★★ Excellent!!!

所謂マンガでは比較的悪役扱いの多い始皇帝。
教科書であれば兵馬俑や万里の長城、焚書坑儒くらいか?

確かに単純な功罪で考えれば罪が目立つ男であったかも知れない。

だが時代背景、世相、捕虜の子、外敵の存在、それらを加味したとき、単純な功罪では図れない(それでも、罪は罪としてでかくはあるが)膨大な力を持ったカリスマであったのは確かだ。
同時に、始皇帝がいかなカリスマであろうと、土台となる人材や国がなければ、わずか一代で中華統一を成し遂げることはできなかっただろう。
逆説的かも知れないが、それら事実が複雑に両立するからこそ、世間が描く秦王朝は始皇帝の時代が中心であり、事実として死後は二十年と持たずに没落・破滅へと突き進む。

作者様の本書。
ぱっと見は国名や人物名が多く取っ付きにくく感じるかも知れない。
熱い展開を求める読者からはサラッとしすぎてつまらなく感じるかも知れない。

だけど、一歩踏み込んで読んでみるなら、文字で有りながら地図さえ情景として浮かぶ文体、味気ない教科書とも誇張・作者感の強い漫画・小説ともひと味違う世界を噛みしめられます。
まだ三章ですが、これからさらに長い世界と歴史をどのように表現され、頂上に立った人間のえげつなさを描かれるのか……興味が尽きません。

古の伝説である人物を追うことは非常に難しく、またそれを文字にすることはさらに難しいでしょうが、楽しみに追わせて頂きたいと思います。

歴史好きな方、是非読んでみてください。

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