秦の誓い

作者 Rona Nakanishi

40

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★★★ Excellent!!!

中国の春秋時代に興味がある方は、必読の作品だと思います!

もっと早くレビューをしたかったのですが、自分は飲み込みが悪いので……。
隣に別途、その時代の資料を置きながら、惜しむように、毎日ゆっくりと読ませて頂きました。
そして、レビューを書くなら、きちんと読んでから、しっかり書こうと思っておりました。
作者さんが真摯に、この時代と向かい合っていることが伝わってくる傑作です。

秦だけではなく、秦を取り巻く他国の情勢を知ることが出来て、またその時代の英雄たちも沢山登場しておりますので、読み進めていくうちに、春秋時代とは、中国史上、改めて魅力的な時代だったんだと気づくことが出来ます。

ミーハーな気持ちで、メジャーな方が登場すると、応援したくなるのですが、英雄の最期って、孤独が多いんだなって、深く感じるものがありました。
大きな時代の流れに、どんな傑物も翻弄されるのだな……と。
様々な人物の思惑が入り込んで、時代を作っていくんだと、自分が小説を書く上で、大変勉強になりました。
人生哲学としても、学ぶことが多い作品だと思います。

出来ることなら、都度、読み返して、素敵な台詞や格言の数々を、しっかりと頭に留めたいものです。
webなのがもったいないと、感じます。
中華系の小説を書く方には、一読をお勧めしたいです。
本当は、あまり教えたくないのですが……。

あと少しで終わりだということですが、続きを、楽しみにしております!!

★★★ Excellent!!!

春秋戦国時代ほど複雑で面白い時代がないけれど、わかりやすいようにまとめられていてすごくイイです。マニアックに恵文王時代が好きなので、扱ってくれていたのは嬉しかった。
上から下へ読むのもいいですが、一話一話好きな人物読むのも楽しいかも。続きにも期待。

★★★ Excellent!!!

所謂マンガでは比較的悪役扱いの多い始皇帝。
教科書であれば兵馬俑や万里の長城、焚書坑儒くらいか?

確かに単純な功罪で考えれば罪が目立つ男であったかも知れない。

だが時代背景、世相、捕虜の子、外敵の存在、それらを加味したとき、単純な功罪では図れない(それでも、罪は罪としてでかくはあるが)膨大な力を持ったカリスマであったのは確かだ。
同時に、始皇帝がいかなカリスマであろうと、土台となる人材や国がなければ、わずか一代で中華統一を成し遂げることはできなかっただろう。
逆説的かも知れないが、それら事実が複雑に両立するからこそ、世間が描く秦王朝は始皇帝の時代が中心であり、事実として死後は二十年と持たずに没落・破滅へと突き進む。

作者様の本書。
ぱっと見は国名や人物名が多く取っ付きにくく感じるかも知れない。
熱い展開を求める読者からはサラッとしすぎてつまらなく感じるかも知れない。

だけど、一歩踏み込んで読んでみるなら、文字で有りながら地図さえ情景として浮かぶ文体、味気ない教科書とも誇張・作者感の強い漫画・小説ともひと味違う世界を噛みしめられます。
まだ三章ですが、これからさらに長い世界と歴史をどのように表現され、頂上に立った人間のえげつなさを描かれるのか……興味が尽きません。

古の伝説である人物を追うことは非常に難しく、またそれを文字にすることはさらに難しいでしょうが、楽しみに追わせて頂きたいと思います。

歴史好きな方、是非読んでみてください。

★★★ Excellent!!!

秦の始皇帝が現れなければ、中国はヨーロッパのように、現代に至るまで小国が分立する地になっていただろう、というのはよく聞く話だ。
そんな不世出の覇者を生み出した秦という国を、史書に寄り添いながら描いているこの物語は、簡潔ながらも非常に魅力的である。
物語を読む者は、辺土の蛮族であった秦が、富国強兵の末に、中華に赫赫たる大国となり、やがて天下を呑みこむに至るまでの歴史を目の当たりにすることでしょう。

★★★ Excellent!!!

 作者の中国古代史に対する深い愛情と理解・知識が、物語を豊かに彩っている。

 神話に近しい昔の世界を語っているにもかかわらず、その人々は、今この時代の私や隣にいるあなたの様に、悩み苦しみ喜び泣いている。
 
 教科書読むより、こっち読め。

 人が人であったこと、人であり続けたこと、そしていまも人であることを思い出そう。

<追記>
各国の位置関係の説明、簡潔かつ見事で感服いたしました。
魏の恵王。横山光輝先生が描いたブルドック顔がフラッシュバックしてきます。アレとかアレのエピソードも恵王だったような。
ニヤニヤしつつ、続きをお待ちしております。