FINAL ISSUE  新たなる使命

「ベイビーフェイスだって? そいつは確か、君の館の従業員を消した……」

「そう、例の大量虐殺者。バイユウとお母さんと話して、確信した。ベイビーフェイスとお母さんの間には何かがあった……彼らは愛し合ってすらいたかもしれない」

 フィリップは仰天し腰を起こして彼女を見下ろした。レベッカは確信を持って続けた。

「ベイビーフェイスの話になったら、バイユウが悲しい顔になったの。遠くを見て、まるで嫉妬するかのように、『……彼らが恋人であったことはありえない、たとえ運命の星のもとに生まれていてさえも』って言ったの。だからぴんときた、彼はベイビーフェイスの恋敵だったって。とにかく、お願い、ユビキュタリのベイビーフェイスの情報をちょうだい」

「会いに行くつもりなのか?」

「それっきゃないでしょ? メールアドレスを調べて、『ハーイ、あんた私のお母さんを十八年前レイプした?』ってメールしろって?」

「ハッキングは簡単だけど、会いに行くのは危険すぎる! 映画とは違うんだ、相手もボディガードも銃で武装してるんだぞ」

「わたしには人にはない武器がある。スーパーヒロインであることと、このセクシーな肉体だよ! さあ、情報をくれるまで、あんたのバナナを搾りつづける」

「わかった、わかった、五分待ってくれ」

 フィリップはジーンズをはき、巨大なPCの前に向かった。

 そして例によってたった三分でレベッカを呼んだ。画面を見て、レベッカははっと息を詰めた。逮捕写真は、彼の息子のアーロンそっくりだった。ただメガネはなく、童顔だが神経質そうに目の下にくっきりふちどりがあり、人を殺したてほやほやなのではと思うほど目つきが悪い。

「これは相当若いときのだよ。最近は逮捕されていないから。いまはもう、五十三歳だ。本名のほかに、ジャック・イーガン、ジョー・ベスター、ジュード・バラードなどの偽名を使ってる」

「あ! お母さんはジュードって呼んでた」

「孤児院出身で最初はチンケなヤクの売人をやっていて、急速に力をつけていったらしい。そのきっかけが『不死身伝説』。シマ争いでサブマシンガンの餌食になったのに、彼は後遺症ひとつもなく生還したそうだ。彼は幹部にのしあがり、いまやユビキュタリのヤクの流れはすべて彼の掌中……」

「それで、住所はどこ?」

「本当に会いに行くのか? 伝説が本当なら、銃も効かない男だぞ?」

「……倒し方は見えてる……彼とよく似た男を知ってるから」

「レベッカ、約束して。無茶だけはしないで」

 彼はレベッカを横から抱きしめた。

「君が強いのはよく知ってる。でも、この世におれを置いてけぼりなんてことだけはごめんだからな」

「わかってる、無理しない」

 レベッカは自分と戦ったバイユウの言葉を思い出した。『身を挺して守る力もなく、愛する女性が危険に身をさらしているのを指をくわえて見ていることしかできない男の気持ちが、あなたにわかりますか?』気持ちはよくわかる。男なのに愛する女を守れないなんて、プライドだって踏みにじられる気分だろう。でも、わたしはただの非力なだけの女の子じゃない。守られるだけの存在とは違うのだ。

 次の日の朝、レベッカは、

『フィリップと遊びに行ってくる。少し遅くなっても心配しないで』とデスクの上に置き書きして家を出た。

「そのお荷物は何ですか?」

 学校までの車の中、レベッカは家から持ってきたボストンバッグのことを聞かれ、用意した答えを並べた。

「バスケのユニフォーム。今度の試合、助っ人することになったから、ちょっと練習につきあってやるの」

「あなたにしては珍しいですね」

「まあね……チアよりまだマシだから」

 ボストンバッグを持って彼女は校門に降り立ち、学校に向かって歩いていく。

 と、彼女はふと引き返す。ブラムはもういない。走った。一目散に走って、ダウンタウンに出ると、手をあげてタクシーをつかまえた。

「ロックス(LOX=ロスト国際空港)まで」

 そして空港に着くと、予約していた便にチェック・インし、飛行機に乗ると、二時間半でユビキュタリ市だった。

 大通りに出てみて、だいぶロスト・シティと雰囲気が違うな、と感じる。さすがわが国の経済の中心と言われる都市で、サラリーマンやキャリア・ウーマンがきゅうくつそうなスーツに身をつっこんで、せかせかと道を歩いている。男も女も、パリッと垢抜けた、おしゃれなかっこうをしている人が多い。みんな流行に敏感だ。ロスト・シティではかなりの中心部でも、H&MやGAPなんかのファストファッションをゆるいシルエットで着て、リラックスして歩いている人ばかりよく見るのに。こちらはずいぶん寒いからだろうか、もうコートを着ている人がほとんどだ。

 観光気分ではいられない。レベッカは再びタクシーをつかまえ、ぎこちない笑顔で言った。

「ハーイ。……五十九丁目の、エヴリシング・ボックス・タワーまで」

 白髪の運転手は気味悪げにひょいと肩をすくめたが、メーターを倒し、発進させた。車が走っているうちに、レベッカはバッグからバニー・ザ・リヴェンジのコスチュームを取り出し、その場でさっさと着替えだした。

「ストリッパーかい?」

 と運転手がたずねる。

「そんなとこ」

「エヴリシング・ボックスには気をつけな。あそこはマフィアの穴ぐらだ。今からでも引き返して、別の客をとったらどうだい」

 レベッカは笑った。

「ありがと、おじさん。でも大丈夫。知ってる人だから」

「そうか、上客か。だけど、充分気をつけるんだぞ」

 エヴリシング・ボックス・タワーは金づくめの見事な塔だった。映画の賞のトロフィーみたいに威厳に満ち満ちて大地に根を下ろし、地上を睥睨している。黒人のドアボーイにギロリと睨まれる。バニーガール姿に変身したレベッカは彼にもしなを作りながら、堂々と中へ入っていった。

 エントランスでペントハウスを呼び出す。

 返事がない。もう一度ベルを鳴らす。

「はい?」

 すかすかにしゃがれた、不機嫌な声が返ってくる。レベッカはカメラに媚びた視線を向けた。

「ハーイ。サプライズよ。あなたのお友達から、かわいいバニーちゃんのお届けもの」

「友達って誰だよ」

「それも含めてサプライズだから、部屋に行ったら明かすね」

「フェイスガードをしてるバニーなんてめずらしいな」

 レベッカはどきりとする。

「そう? 最近、流行ってるのに。知らないの?」

「そのフェイスガードをとって、顔を見せろ。それで決める」

 彼女はためらった。もし『失格』で、すげなく追い返されたら? いいや、飛び込むしかない。

 レベッカは白いフェイスガードをとって、カメラににっこり笑いかけてみせた。インターフォンがしばらく沈黙した。そして、言った。

「入れ」

 彼女はほっと胸をなでおろした。生きた心地がしなかった。

 エレベーターを上がり、ドアの前でベルを鳴らすと、

「あいてる。入りな」

 とインターフォンで。

 そのとおりにすると、いきなり、薄着のブロンドの美女とすれちがった。

「何よ。そんなにせっつかなくていいじゃない。言われたとおり帰るったら!」

 彼女は毛皮のコートを着込むと、レベッカを憎々しげに手でおしのけて帰っていった。

 リビングに入る。誰もいない。ボディガードもだ。

 白と黒を基調にしたカラーリングの、完璧に配置されたミニマムデザインの調度品。ダンスホールのように広大なのに、どこにもほこりひとつ落ちてない。だけど、並べてある額縁の絵や現代アートのオブジェやカーテンの色は、どこかちぐはぐで、全員が全員、ここは僕の居場所ではないと叫んでいる。

 レベッカは思った。この部屋には、心がない。

「ヘイ」

 ロックグラスを手にした、灰色のガウン姿の男が、後ろからあらわれた。マッシュシルエットのミディアムショートはプラチナのように輝くまっさらな総白髪で、目には光を通さない黒いサングラス。ドキュメンタリーフィルムで見たアンディ・ウォーホルにどこか似ている。

 彼がベイビーフェイスだ。そしてひと目見てわかった。そして。

 この部屋に心がないように、彼自身も、重大な何かが欠落している。

「若いな。本当にリーガルか? 高校生くらいに見える」

 ベイビーフェイスはソファにかけた。値踏みするように体じゅうを凝視されているのだろうが、サングラスのせいで視線が読めず、不気味だった。

「よく言われる。でも、このボディが高校生?」

 レベッカは身をくねらせ、媚びきったポーズをとってみせた。

「それで、どこまでやってくれるストリッパーなんだ?」

「さあ、それはあなたしだいかも……ひざに乗っていい?」

 彼女は恐怖を克服するかのように自分から飛び込んだ。ガウンが少しはだけてベイビーフェイスのひざが見える。光を浴びたことがないと言いたげなほど青白かった。

「わお」

 ひざの上に乗ってあげたとき、予想どおりベイビーフェイスは目の前の二つの大きな果実に注意を引かれ、ほんの少し笑顔を見せた。

「すごいもんだな。シリコンか?」

「ううん、天然」

「本当に?」

 彼はラテックスの胸当てごしに彼女の胸をぎゅっとつかみあげた。痛みに顔がゆがむ。彼は小さな子供がいたずらするように胸をぐいぐいと揉んだ。

「確かに感触は自然だな。じゃ、次は出せ」

「出せって……」

「自分で出して見せるんだよ、おっぱいを。それくらいできるだろ? ストリッパーふぜいが」

 彼はテーブルの上においた、氷の溶けたオンザロックをひとくち飲んだ。レベッカはムッときた。自分はストリッパーじゃない。じゃないけど、もしこんな客に当たったら、キンタマを蹴り上げてとっととずらかるだろう。

 だが、いまは彼女は逆らえない。いい気分にさせて、リラックスさせて油断させて、すっかりとろけきったところに、喉元に凶器をつきつけてすべてを白状させてやるのだ。

 レベッカは素直にバニースーツのブラの部分をめくり下げ、両方の乳房を露出させた。彼はうれしげに両手でそれを下から持ち上げた。

「すごいな、百センチはある……顔はスクールガールみたいな童顔なのに、たまらないな。どうせ、学校の公衆便所だったんだろ?」

「さあ。わたしは好きな男の子とだけ寝てたから……」

「どうだか。乳首の色もきれいだな、ポルノ女優みたいだ」

 ベイビーフェイスの指が巨大な果実の先端に触れる。小さな電流が走る。別におかしいことじゃない。乳首とシャツとこすれたときだって一瞬快感が走ることがある。

 でも、この男の指でとなると、やっぱり複雑だ。

「ラップダンス(ひざの上で踊るストリップ)、できるだろ? やってみせろよ。体をクネクネさせてさ」

 それくらいなら、ネットのポルノ動画で見たことがあるから、男の子にやってあげるときもある。レベッカは後頭部に手をつけて、体をくねらせ、セックスのときのように腰をまわしてみせた。ベイビーフェイスは犬歯を見せて笑った。

「そうだ、もっとおっぱいを揺らせ。ピストンしてみせろ」

 レベッカは言われたとおり、座位でつながっているときの動きのように体を上下でゆすって、おっぱいをたっぷん、たっぷんと激しく揺らしてみせた。ベイビーフェイスは満足げにそれを眺めた。

「いい光景だな、大地震だ」

 別にこれくらい、たいしたことなんかじゃない……おっぱいなんか学校じゅうの男にもう見られた。だけど、この男は、レベッカと親しかった従業員をすべて殺した大量虐殺者だ。そして、もしかして彼女の父親であるかもしれない男だ。そんな男相手にこういう行為を強いられているのは、もちろん内心おだやかではなかった。恥辱だと言っていい。

「いい子だ、スウィート……こっちもでかいな」

 彼の両手がお尻をつつむ。レベッカははっとした。ベイビーフェイスの手が後ろにまわっては、見つかるかもしれない、あれが……

「捜し物はこれか?」

 レベッカは愕然とした。

 ベイビーフェイスは彼女の背中の隠しポケットから、使い捨てライター大の超小型スタンガンを抜き取り、それをレベッカの目の前に掲げてみせたのだ。

「な……なんで……」

「意識しすぎなんだよ。あんたは背中ばっかり気にしてた。いつ取り出してやろうか、タイミングをはかってたんだろ?」

 ベイビーフェイスはスタンガンをポイと遠くソファーの後ろに投げ捨て、どこに落ちたかもわからなくなった。

 そして彼は四十五口径をふところから取り出した。ガウンの下、肌に直接ホルスターをつけているのが見えた。

「ごまかせると思ったのか? あんた、自分の顔が若いころのママとどれくらいそっくりか、知らないんだろうな」

 額にぐいと四十五口径の銃口を押しつけられ、レベッカは動きを止めた。動きどころか、恐怖で体じゅうのすべての機能が停止しそうだった。ベイビーフェイスがほんの少し指に力を入れて引き金をひけば、自分の頭はぐちゃぐちゃに吹っ飛ぶ。汗すらも凍りつく思いだった。

「ついでに教えてやるよ。……スカイプの通話なら盗聴できないって、まさか信じてるのか?」

「わ……わたしとお母さんの会話を聞いたの?」

「エリカのスカイプはすべて傍受して、オレの名前が出たら自動的に記録するようにしてある。あんた、知ってしまったみたいだな。十年……いや、十一年前か? あのときの出来事を」

「……本当なの? 本当にあなたが……」

「ああ、部下に命じてすべてを片付けさせた。ロスト・シティの市警にはコネがないから、抱き込むのに苦労したけどな。あの女が妙な考えを実行に移すからだ……あの女は、オレたちのこの能力を障害か何かみたいに思って、『治療』しようとしてた。あの女に言わせりゃ、オレたちは哀れなダウン症のガキと同じなんだ!」

「違う、お母さんはみんなを助けようと……」

「オレは助けられたくなんかない! エリカは、しかも……やられっぱなしじゃなかった。ヘヘッ……あの女らしいっちゃらしいぜ。研究者たちを消したのがオレとわかるや否や、乗り込んできて、オレの……これを持っていった」

 ベイビーフェイスはサングラスをずらし、上目づかいでレベッカを見た。

 暗い湖のように濁ったブルーグリーンの虹彩は、左目にしかなかった。右目には、あるはずの場所に黒目がなく、真っ白な更地があるだけだった。レベッカは背筋がぞくりとした。

 義眼。

「そして、娘に手を出したら今度は心臓をえぐりとると、オレを脅迫し返したんだ。たいしたタマだろ? ……しゃぶれ」

 ベイビーフェイスはいきなり、銃口をレベッカの唇にねじ込んできた。

「うっ、うくっ」

「しゃぶれって言ってんだよ。セクシーにだ。これ以上ないってくらいエロくな。じゃないと……後ろ頭に穴を開けてほしいか?」

 レベッカは恐怖に体をふるわせながらそのとおりにした。男のあれをしゃぶるときみたいに、ねっとりと銃身をなめた。

「そうだ……もっと舌を使って……うん、いい光景だ……」

 彼の命令に素直に従うしかない。レベッカは泣き出しそうだった。なんでもするから助けてと、いまになって命乞いをしそうだった。

「簡単には殺さないぜ。あの女の娘だ、死んだほうがマシだってくらいオモチャにしてやるよ……オレは若者と違って、年の功でさ、いい遊び方をいろいろ知ってるんだ……とっても楽しくて面白いゲームとかね……ステキな道具だってあるぜ。ああ、こんなことなら、エリカとも寝ておくんだった」

 レベッカの動きが止まる。

「おい、休んでんじゃねえ。ぶちこまれたいか」

 彼女はあわてて口の動きを再開させる。でも、いま、彼はなんて言った?

 ベイビーフェイスは……この男は、母をレイプしてはいない? ということは、彼は……レベッカの父親ではありえない!

「あのババアがまだ若くてエロかった頃に、一度でいいから犯しておくんだったよ。いまみたいな醜い出ガラシになる前にな。犯ろうと思えばいつでも犯れたから、かえって機会を逃した。あの女がオレのものになってれば……いいや……そしたらあんたはいなかったかもな。そうだ、エリカのぶんまであんたを徹底的に嬲って……ぎゃあああああっ!」

 ベイビーフェイスは四十五口径を取り落とした。レベッカがウサギのシッポを取り外すと、その下に仕込まれていた太いキリが、彼の手の甲に深々と突き刺さったのだ。

 床に落ちた四十五口径は蹴って床をすべらせ、遠くに追いやった。銃はスーパーヒロインの美学に反する。代わりに、ひらりとソファを飛び越え、飛ばされた超小型スタンガンを拾った。

「お母さんを犯す? バカ言わないで。お母さんはあんたみたいな脳味噌スパゲティのゴキブリゲス野郎には似合わない! ついでにわたしにもね」

 レベッカはベイビーフェイスのサングラスをむしりとると、彼の無事なほうの眼球にスタンガンを押しつけた。

「あんたは人の命をなんとも思わない腐ったナメクジだ!! 大量虐殺の『復讐』を味わってちょうだい。大切な残りひとつだから悪いけど、こっちは娘のわたしがいただくよ!!」

 そして、スイッチをオン。

「ひぎっ……」

 と悲鳴が一瞬洩れて、電流が流れるビリビリという音がほとばしり彼の体は跳ねた。彼は目をおさえながら床にうずくまり、体を丸めた。レベッカは強引に髪をつかんで顔を上げさせ、もういちど目にスタンガンを押しつけた。

「ねえ、たしかいろんな楽しい遊び方を知ってるんだって? 徹底的にオモチャにしてくれるんだったよね? いいじゃない、楽しそう。もっとわたしと遊びましょうよ……心臓が口から出てくるまでね!」

 レベッカは無慈悲にスイッチを入れた。そしてその指を当分放すつもりはなかった。

「あああああああああっ……」

 そして、バニー・ザ・リヴェンジによる制裁がいましも加えられている、そこに。

 がッしゃーーーーーーーん!!

 バルコニーのガラスが派手に割れ、飛び込んできた人物がいた。レベッカは思わず手を離していた。

 それは……ウサ耳つきの黒いフェイスガードに、ラバーのバイクスーツをおへそまでしかジッパーを上げていない、奇妙な女だった。彼女は叫んだ。

「バニー・ザ・リヴェンジ! もう、やめて!」

 そうか……ネットで見た。彼女が……彼女が、伝説のスーパーヒロインにして、レベッカの母親、バニー・グラヴィ……!

「お嬢様、無事でいらっしゃいますか!」

 玄関のほうからリヴェンジ・バトラーも入ってきた。バニー・グラヴィは気絶しているベイビーフェイスに駆け寄った。

「ジュード! ジュード、しっかりして! ……ああ、だめ、息してない!」

 彼女はベイビーフェイスを床にあおむけに寝かせ、胸をポンプのように速いピッチで強く押す胸骨圧迫を始めた。

「一、二、三、……」

 数が三十まで来たら、舌をあげて気道確保し、人工呼吸。

「バトラー、あんたも手伝って!」

「はい!」

「お……お母さん、どうしてここがわかったの?!」

「なじみの刑事がいてね。ベイビーフェイスの情報がハックされて、ロスト・シティ方面のネットワークからだって言ってた。それでピンときた。あなたの行動が読めた気がして。私ならどうするかって思ったら……」

 バトラーが同じように三十まで圧迫したあと、バニー・グラヴィが人工呼吸をする。

「ぇうほっ……」

 ベイビーフェイスが咳き込む。息を吹き返したのだ。

「よかった!」

 バニー・グラヴィは額の汗をふいた。

「エ……リカ……、エリカなのか……?」

「私がわかるの、ジュード?」

「……オレを救うために、地球の裏側から駆けつけたのか」

 と、苦しげにぜいぜい言いながらも、ベイビーフェイスは皮肉を叩いた。

「バカ。娘のために決まってるでしょ。娘を殺人者にさせないため! あいかわらずのうぬぼれ屋……!」

 それでも、バニー・グラヴィは、倒れたままのベイビーフェイスの唇にもういちど、軽く口づけした。どきんとした。まるで恋人どうしのようだったから。

「……ブラムも、お母さんから連絡が来て?」

「はい、そうです。きのうの夜の時点で、あなたの行動には注意しろとミズ・ワインスタインから連絡が」

「そう、全部お見通しだったってことか……」

「ねえブラム、ジュードは失明の危険がある?」

「いいえ、そのスタンガンは小型で威力も少なめですから、たとえ眼球に直接あててすら失明はしないでしょう。一時的に視力が落ちるくらいです」

「よかった……」

 バニー・グラヴィは立ち上がり、こんどはレベッカの体を気遣った。

「あなたは? 見たところケガはなさそうだけど、こいつに何かされたりした?」

 彼女は力強く首を横にふった。

「何もされてない。何されても……なんともない、わたしは、強い子だから……お母さん!」

 バニー・グラヴィはレベッカを抱きとめた。あのときと同じ。

『レベッカ、レベッカ! 大丈夫?! ケガはない?! どこもなんともない?!』

 子供のころ、真っ先に駆けつけてきてくれた、あのときと同じにおいとぬくもりだった。少しだけタバコのいがらっぽさが混じった、甘いお菓子みたいなにおいと、熱い体温。十一年間、追い求めていたのは、これだった。

「お母さんと約束して。復讐はいいけど、人殺しだけはやめてね。それをしたら、お母さんでもかばえない」

「わかった……人は殺さない」

「ジュード、きょうは娘をよこして悪かった。もうあんたとは関わらせない。だからきょうのことも恨みっこなしにして。聞こえてる?」

 ベイビーフェイスはまだ片目をおさえて顔をゆがめていた。そして、吐き捨てるように。

「でかい口を叩くな、ババア。売春婦の娘なんかにかかずらわってるヒマはない。頼まれてももう会うか」

「それでいい。病院代の請求書はこっちにまわしてちょうだい。さ、レベッカ、うちに帰ろう。今夜はお母さんの家に泊まっていって」

「お母さんちに泊まっていいの?!」

「もちろん。五時になったらおじいちゃんも帰ってくるし、そうだ、バイユウも呼んでみんなで今夜はパーティにしよう!」

「やった! うれしい! ……けど、お母さん」

「うん?」

「お母さんって、そんなにセクシーな格好でスーパーヒロインやってたの? ジッパーをそこまでしか上げないで……」

 バニー・グラヴィは自分のおへそを見下ろして、笑った。

「違う。もうジッパーが上がらないの。ねえレベッカ、四十歳って最高だよ。もう男の目を気にしてダイエットしなくてもいい年齢なの」

「お嬢様、ご無事で何よりです」

 ブラムが礼儀正しく一礼した。レベッカは彼の首に抱きついた。

「ブラム、心配かけてごめん!」

「いえ、お嬢様におケガがないのが何よりでございます。しかしながら、無断外出の件につきましては……いずれ機を見て、お尻百叩きの刑に処さねばいけませんね」

「やったーっ!」

「えー! そんなのひどい」

 母と娘の反応が、まっぷたつに分かれた。

 さて、その夜。

 短い白髪のヒース・ワインスタインは、分厚いメガネをあげて彼女をじっと見るなり、顔をくしゃくしゃにし、涙をごまかすように彼女を強く抱いた。

「おじいちゃんって呼んであげなよ」

 とエリカがニヤニヤとうながし、レベッカがそうすると、

「バカ、やめろ。ちきしょう、デカくなりやがって」

 と、ヒースは嗚咽をこらえきれなくなった。

 晩ごはんのキッチンには、バイユウとエリカが立った。バイユウの得意料理のにんにく焼きそばを仲良く手分けして調理する二人を見て、レベッカは、やっぱり彼らが夫婦だったらよかったのにと、ひっそりと心を痛めた。

 就寝前にシャワーを浴びていると、ノックの音がし、バスルームに母が入ってきた。彼女の顔は険しかった。レベッカはシャワーを止めようとしたが、

「そのままでいい」

 とエリカが制した。

「シャワーを止めずに聞いて。だれに盗聴されてるかわからないから」

「盗聴って……」

「レベッカ、あなたは秘密を守れる子?」

 彼女は声を出さず、何度もうなづいた。

「じゃあ、……とても迷ったんだけど、あなたにだけ教える。いままで誰にも言ったことがない、あなたの父親の話」

 レベッカは我知らず息をのんだ。

「……二十年前、わたしは仕事が軌道にのっていて、当分のあいだ、子供をつくる予定がなかった。ほしいとも思わなかったけど、年をとって気が変わるんじゃないかって……だから、卵子が元気なうちに保存しておこうと、卵子バンクを利用したの。……そしたら、わたしの卵子は盗難に遭った」

 エリカの大きなターコイズの虹彩が揺れた。彼女は唇を噛み、ふたたび口をひらいた。

「そこまではまだ普通。でもこのあと不可解なことがあった……。卵子が返却されたの。しかも普通の状態じゃない。それは……、受精卵になっていた。何者かは知らない。でもだれかが手を加えたの。わたしは迷った。この受精卵をどうするべきか。破棄するのはふつうのこと。でもね、わたしはスーパーヒロインとして、人のSOSが聞こえるの。……わたしには、助けてって声が聞こえた気がした。わたしを産んでって、あなたがそう言った気がしたの」

「そ、それじゃ、わたしのお父さんは……わたしのお父さんは、お母さんにもわからないということ?!」

「そう。だから、誰にも言わないんじゃない……、本当は、言うことができなかったの……」

「……パンは、望まない妊娠だったって……」

「ああ……彼にだけ、計画内妊娠ではないってだけ、言ったことがある。それを彼はねじまげて受け取ったんでしょうね」

「わたし、てっきりお母さんがレイプされて、それでできた子供だと……」

「そうじゃない」

 エリカはほほえんだ。

「あなたは、わたしが欲しかったから、産んだの。あなたが産んでほしいって言ったから、この世に送り出したのよ」

「お母さん……お母さん! よかった……わたし……わたし……」

 レベッカは体が濡れているのにもかまわず母を抱擁した。エリカも気にせず抱き返してくれた。

「ねえ、お母さん」

「うん」

「お父さんは、わたしが見つける」

「どうして? どうやってできるの?」

「だって……わたしはお母さんと同じ、スーパーヒロインだから。スーパーヒロインだから、なんでもできるの!」

 エリカは笑った。

「若いときの私みたい。じゃ、レベッカ、働きに期待してる」

「お母さん、もうひとつ聞かせて。……ベイビーフェイスとは、いったいどんな関係なの? 宿敵なんでしょ? でも……きょう見たとき、まるで恋人どうしみたいにキスして……」

「でしょ? 若いころ、ああいうキスを見られたせいでバイユウともダメになった。あいつはね……いままで大事なものを何ひとつ持ったことがない男だった。だから私と出会っても、私をどう扱っていいのかわからなかったの。出会ったのも運命だったし、結ばれなかったのも運命だった。そういう関係もあんのよ」

「わたし……わたしは、今からでも、バイユウがお父さんになってくれたらいいなって思ってるんだけど……」

「ハハハ、無理無理、あいつもう四人も子供つくっちゃったもん。でも本人が言ったんでしょ、ほんとのお父さんがわりに思ってくれていいって。ならそれに甘えたら? せいぜいショッピングにでも付き合わせてさ、高い服でも買ってもらいな、あいつああ見えて稼いでるから」

「へへへへ」

 翌日、レベッカ、ブラム、エリカは運転手を呼んで空港まで向かった。母は講演をキャンセルした違約金を払うためにどんどん働かなきゃと言ったが、その口調にいやみはなかった。

「次の休暇は、絶対、ロスト・シティにするね」

 ほっぺにキスしあって、搭乗ゲートでお別れ。

「学校休んだぶん、フィリップに勉強教えてもらわなきゃ」

「そうですね。次のテストでは全教科、少なくともBプラス以上はとっていただきませんと」

 飛行機のシートにかけてベルトをかちりとしめてから、ブラムが厳しく眉をひそめた。

「とっていただきませんと、何?」

「とっていただきませんと……百叩きの件はなしでございます」

 レベッカのドリブルが敵陣のディフェンスを縫うように進み、体がバネのように跳ねた。出た! 会場がわっと沸いた。レベッカの必殺ダンクだ!

 髪をポニーテールにまとめてアレンジしているレベッカは、きゃいきゃいとチームメートたちと仲むつまじくハイタッチしあった。この強力な助っ人がいれば、強豪校との試合も拾えるかもしれなかった。

 観客……ブラム、ハリー、フィリップ含む……の拍手が鳴り止まない。彼らはなぜか三人でそろって座っていた。

「さすがレベッカだ! きょうは彼女の日だぞ!」

 とフィリップは拳を突き上げながら声をはり上げた。それをハリーが横目でギロリと見る。フィリップはしずしずと肩をすくめた。

「おい。お前、レベッカに勉強教えてやってんのって、本当か?」

 フィリップはへどもどしたが、ようやく、

「そうだけど……何?」

 と、答えた。

「ふーん。別に何ってわけじゃないけど、ぼくにはできないことだからさ。……感謝する、ぼくからも」

 フィリップはほっとしたように笑顔になった。

「……どういたしまして」

 試合が終わり、勝利の余韻でロッカーじゅうが浮かれているところに、三人の女が乗り込んできた。赤毛・ブルネット・ブロンド。例の、チアリーダー三人組だ。彼女らは腕組をして、レベッカにせまった。

「チアリーダーはやらないよ」

 と彼女はすげなく言った。

「それはもうあきらめた。今度は違う話。……あんた、クリスマス・クイーンにはもうエントリーした?」

「クリスマス・クイーン?」

「知ってるでしょ、クリスマス・ダンス・フェスティバルではキングとクイーンを投票で決めることは! あんたがエントリーしないと文句が出るでしょ、あんたなしで勝ったって意味ないって! 当然、キングはロバートだろうし、彼も格好がつかないでしょ?」

「クリスマス・ダンス・フェスティバルね……それって思いきりおしゃれできる場所?」

「当然よ!」

 レベッカは笑いかけ、手をさしのべた。

「エントリー用紙、ちょうだい」

「がんばったね、Aマイナスだ。あとで生徒指導室へ」

 アーロンは優しくほほえみかけながらレベッカに答案を返した。しかし、メガネの奥の瞳が一瞬、ぎらりと光るのを、レベッカは見逃さない。

「そう……A、マイナス?」

 彼は聞こえるか聞こえないかぐらいの小さい舌打ちをして、答案を奪い返し、マイナスの横棒の真ん中に縦棒を加えてプラスにした。彼女はうれしそうに答案をふたたび受けとった。

「ありがとうございます。生徒指導室にはぜひ参りますわ。そうね……卒業式の日あたりに」

 レベッカはゆうゆうと教室から出ていった。

「……ビッチが」

 教師のくやしげな悪態に、生徒の何人かが振り返った。

「いいね、これにする」

 高級靴店でレベッカは深くソファにかけ、足を組み、パンが次々と自分に靴をはかせては脱がせ、はかせては脱がせを繰り返すにまかせていた。

「うん、これもいい。これも買う」

「ちょっと、さっきから君の好みばかりじゃないか。少しは僕にも選ばせてくんない?」

「いいけど」

 パンは床に両手をついて、カエルのように低くかがむと、レベッカの試着したハイヒールの底に顔をのめりこませ、目を閉じてその感触を堪能した。

「うん、なかなかいいね! 僕、これにする!」

 彼は大量の紙袋を両肩からさげて、レベッカの後ろをついて歩く。天気は快晴。ショッピングにはうってつけの日和だ。特に、他人の金で払うショッピングには。

「ねえダーリ~ン、そろそろ車に戻らな~い? もう充分買ったんじゃないの?」

「冗談? ジミー・チュウとルブタンとミュウミュウとマノロ・ブラニクがまだでしょ?」

「いいけど、買ってあげたら顔の上に乗ってくれる話は本当だよね?」

「本当だよ。あっ」

 レベッカはプラダのショウウィンドウの前で足を止めた。

「これ、わたしのためのバッグじゃん」

「えっ、バッグ? 僕が言ったのは靴だけって……」

「買ってくれたら、乗っかってさらにおしっこもする」

 パンはお店の重たいドアを意気揚々とあけるなり、店員に告げた。

「失敬、あのショーウィンドウのバッグだけど、カラバリ見せてくれるかな?」

 水着になったレベッカは、ホテルの屋上にあるプールに足を踏み入れようとして、さっとドアの内側に身を隠した。そろって水着姿でサングラスをかけたバイユウとエリカが、それぞれプール上のフロートベッドに横たわって、仲良く日光浴をしていたのだ。

「ロスト・シティって最高だね、十二月になってもプールに入れるなんて。ユビキュタリじゃ雪が降ってるのに」

「ええ、いいところですね」

「ねえ、レベッカとずいぶん仲がいいみたいだね。聞いたよ、いっしょに寝てあげたんだって? ウルトラ犯罪の匂いなんですけど」

「まさか、あなたのお嬢さんですから」

「でもさぁ、内心ちょっと大変じゃないの、あんたのチンコがまだ現役でもそうでなくても、あんなにセクシーすぎる女の子にベタベタなつかれちゃったら」

「あなたのほうがずっとセクシーですよ。今でもまだ」

「あーらあら、この正直者」

 エリカがバイユウの足を足でぴしっと蹴った。レベッカはニタリと笑った。

「お嬢様、あなたの戦闘服がクリーニングから返ってまいりました」

 夕食後、部屋でだらだらとモバイルフォンをいじっていたら、ブラムが入ってきた。

「おっ、ありがと!」

 彼女はそれを受け取った。そして、なつかしむようにバニーの耳つきカチューシャを見つめた。

「……お父さんを見つけるって大見得切ったはいいけど、正直、何もできることはないし……しばらくバニー・ザ・リヴェンジも雲隠れかな?」

「さようでございますね。お嬢様は勉学にスポーツにとお忙しい身でもございますし」

「バスケの助っ人はあの一回だけだよ」

 レベッカはなんとはなしにカチューシャを頭につけて、ブラムに向かってセクシーポーズをとってニコッとしてみせた。

 そのとたん。

『……助けて』

 えっ?

『助けて! いや! 近づかないで! 助けて!』

 レベッカはどこかからか聞こえてくる呼び声に、おもわず耳をふさいだ。いや、違う! 声をキャッチしているのはそちらの耳ではない……カチューシャのウサ耳だ!

 彼女はハンガーにかけられたコスチュームを抱きしめた。

「……ブラム。急いで着替えてきて。出動だよ!」

 バニーはあるフラットの三階のベランダに飛び乗り、ロープを手すりにくくりつけた。バトラーがよじのぼっている最中に、ガラスを拳で割って窓のカギを開け、内部に進入した。

 大学生のドラッグパーティーと思われた。カーペットの上にぐったり横たわっているのは、全裸になっている少女三人。それを取り囲んでいるのは、服をしっかり着込んだ男が、十人も。

「てめえら、ふざけんな! マワシやるために親が学費出してるわけじゃねえっ!」

 バトラーと二人で男たちを殴り、蹴り、彼らに肘を入れ、膝を入れ、金的を入れ、ヘッドバッドを入れ、アゴに掌底を入れ、床に叩きつけて、ついでに天井にも叩きつけた。

「ま、待ってくれ。合意だ。彼女らはラリって自分から脱いだんだ! そっちから誘ったんだよ!」

「そんなのは通らないね。彼女らのSOSをわたしがキャッチしたんだ。助けてって、その子らは言ったんだ! わたしがここに駆けつけたのが何よりの証拠だ!」

 バニーは男たちのうちのひとりの胸ぐらをつかんだ。

「いいか! 三日以内に……いいや、翌日以内に警察に自首しな。そしたらこれで勘弁してやるよ。そうしなかった場合は……ほんとうの復讐ってのがどんなもんか、わからせてやる。そうね、ひとりにつき、最低『一個』はいただこうかしら?」

 バニーはニヤリと凄味たっぷりに笑いかけて、指でハサミを作ってチョッキンと何かを切り落とすしぐさをしてみせた。男を投げ捨てる。裸でぐったりとしている、またはすすり泣いている少女たちに駆け寄る。

「大丈夫? 服はある? ほら、金はあるから、これでタクシー呼びな」

「SOSが聞こえたというのは本当ですか?」

 その夜、床についたレベッカにスリーピングティーを運んできたとき、ブラムはそうたずねてきた。

「うん、本当。……たぶん遺伝。お母さんも、人のSOSとか、助けてって声が聞こえるって言ってたから、何かの拍子に能力が目覚めたんだよ……つまりこれからは、性犯罪者をリンチするだけじゃない、人助けにこの力を使えるの。このロスト・シティの犯罪を未然にふせげる……ブラム、どう思う?」

「すばらしい能力です、と言いたいところですが……その能力を活用しようとするなら、数限りない危険がともなうでしょうね」

「やだ、ブラム!」

 レベッカは眉を寄せて飛び起きて、彼に乞いすがる視線を送った。

「……ですから、今後とも変わらず、お嬢様はわたくしがお守りいたします。命に換えてでも」

 ブラムはいつもどおりの鉄壁の表情筋だった。レベッカはにんまり笑った。

「その言葉を待ってた! あんたは史上最高の執事よ!」

 ベッドの上にひざ立ちになり、首に抱きついてほっぺにキスして。

「それじゃ、ごほうびに、お嬢様にお尻ペンペンを……」

「ありがとうございます。またの機会を楽しみにしております。おやすみなさいませ、お嬢様」

「あぁん、もう、あんたってばいつも……いいよ、いつかツケはまとめて払わせる。おやすみ、ブラム!」

 おやすみなさい、ロスト・シティ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る