C・お前たち、二人のケツが俺のドラムだ!
「今思い返せば、その選択が、ボクの人生最大のターニングポイントだったのだと思います。他の選択肢もあった……だがボクはこの両手で彼女たちのお尻を叩いた。無我夢中で叩き続けた。今でもその時の興奮と感触……そして尻の音色を覚えています」
瀬奈恭介氏の答えに、インタビュアーである流川瑠可は「なるほど」と頷いて、
「瀬奈さんが世界的なケツドラム奏者の道を歩むきっかけとなったのがその二つのケツ……だったわけですね?」
と、訊いた。
「ええ……それからボクは尻音に魅了され、尻の音の虜となったのです」
「そうですか……彼女たちが羨ましい限りです」
フリーのライター瑠可は、ケツドラム奏者の瀬奈恭介氏の大ファンだった。
今日は久々に彼が帰国するということで、取材を買って出て、彼の宿泊するホテルに押しかけているところであった。
そして彼女は、自身の持っていた質問を次々とぶつける。
「では瀬奈さん。次の質問に移りますが、楽器……つまりケツドラムとなる女性は、どのように選ぶのですか?」
「そう……ですね……ボクの心の尻肉が震えるかどうか、ですかね」
瑠可は少し考えてから、
「すみません。勉強不足で……心の尻肉とは?」
「女性のお尻を見て、心より叩きたい……尻肉を振るわせたいと思うかどうか……そんな感じです」
「ああ、なるほど……好みのお尻かどうかということですね」
「平たく言えば」
「ちなみにですが、わたしのお尻はいい音がでると思いますか?」
「もちろんです。好みのお尻……もっと言えば、好み女性であれば尻にも愛情がこもり、よりいい尻音になるでしょうから」
瑠可は頬を染める。
「ありがとうございます。お世辞でも嬉しいです」
「いえ、お世辞では……」
「で、でしたらその……叩いてもらってもよろしいですか?」
「んっ? 今、ここで……ですか? あなたはインタビューにきたのではないのですか? それともオーディションにでもきたおつもりで?」
瑠可は恭介の目を真っ直ぐ見て、
「叶うのであれば、その両方です」
と、言った。
「……わかりました。では下を脱いでいただけますか?」
「……はい……」
瑠可が言われた通り脱ぐと、恭介は「準備がいいですね」と微笑んだ。
瑠可はケツドラムしやすいようにTバックを穿いていたのである。
「では、お願いします」
そして瑠可は、世界的なケツドラム奏者の瀬奈恭介氏に、ケツドラムされたのだった……
マルチエンディング・その1『ケツドラム奏者END』
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