070_1530 4th duelⅥ ~腹心之臣~
《
なので白兵戦など、彼女らしくない。
だが今回、今この状況下では、脳内でシミュレーションを繰り返して選んだ、想定される中で最も勝率の高い戦術だった。
「フッ――!」
地上わずか一メートルを飛行し、四肢から光剣を伸ばして宙で回転すると、立ち木が大根の
それだけでも充分に恐ろしい現象だが、更に脅威なのは、同じ
『
ホッとする間もない。《
《B.mcpq》のBは、
見通しと足場の悪い夜の森で、そんな凶器たちが間断なく襲い来るのは、もはや悪夢だ。『
やがて『
よみうりカントリークラブ、一四番ホール。
それがこの場の――戦場の名だ。
小規模ながら見通しが効く。足場は安定し、行動を
森林戦から野戦に移行したことに安堵したように、『
「昨今のサブカルチャーでは、不死となった魔導師は、総じて《リッチ》とカテゴライズされるのでありましたかね……面倒でありますよ」
追って森から飛び出た野依崎は追撃を止め、距離を
「
怠惰な野良猫は、返事など期待していない。
十路はトラブルご免を自称する割に、大きなトラブルの芽を潰すために、小さなトラブルに首を突っ込むことを
日頃は野良犬みたいにダラダラしているクセして、部活になれば元特部隊隊員らしく率先して動く。
「なので、とっとと終わらせるでありますよ」
逃れられない面倒ごとなら、早々に片付けるに限る。
それが今回、野依崎が部活動に参戦している理由だ。
ナージャや南十星のような準備は必要なかった。
負け惜しみだが、先日の交戦で敗北したのは、十全に彼女の性能を発揮できなかった部分が大きい。
「できると思ってるの?」
「逆に、なぜできないと思うでありますか?」
野依崎にとっては、真面目な疑問だ。
《ヘミテオス》の存在は、薄々で多少ながら、他の部員たちよりも早く、詳しく知っている。対抗策を考えていないなど、あまりにも楽観的ではないだろうか。
まぁ、それは野依崎から見た認識であって、『
「まさか、自分のデータ収集は、全て完了しているとでも思ってるでありますか?」
重要なのは、彼女はアメリカが本気になって作った、正真正銘の秘密兵器であること。
しかも情報担当として、情報の戦略性や重要度は、他の誰よりも承知している。
今までの部活動で垣間見せた性能が、野依崎の全力であるなど、あまりにも低く見積もりすぎではなかろうか。
それが証拠に、『
「お前のコードネームは、グリム童話の『
「いや別に、コードネームってわけじゃないけど」
「その童話に出てくる登場人物で王族は、
『
「童話で
応じるように《
女王を守る衛兵たちが、槍を構えたかのように。
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