5話
仕事。
お金のために働いて、お金は生きていくために必要で、でも本当は働くために生きている訳ではなくて、でも命は生きるために餌を、住処を探さなければいけなくて、現代社会に生きる人間にとって「働いていれば餌や住処と交換できるモノが得られる」のは、自然の中で生きるよりは余程優しいのかもしれない。
でも、できれば働く人がその時間をそれなりに楽しめるようなら一番いい。
向き不向きはあるのだから、それぞれが必要な生き方ができたらいいなと思う。
ずっと過ごしてきた私の仕事場は、もうなくなってしまった。
家族よりも話してきた同僚も、職場が無ければ皆それぞれ散り散りに。
もっとあの場所でやれる事があったんじゃないだろうか?燻るような想いがある。
穏やかな仲間と、紙とインクの匂い。
最後に撮った動画には、今はもう存在しない明るい店舗。
幻みたいな、確かにあったはずの居場所。
もっとあの場所に居たかったと、まだ心残りがある。
それでも、働いて、生きていくために、仕事をしないといけない。
あの場所の思い出は、燻る後悔は、次に進んだら過去としてしまってしまうんだ。
時間を戻せたら、また皆と過ごしたいな。
次に行く場所が、自分にとって良いものでありますように。
別れた人達が、皆良い場所にたどり着けますように。
さあ、進まないと。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます