第七十六話 魔導の塔と戦力解析

「このあと、どんどん敵が強くなると思うからしばらくここで準備をしていきたいと思う。」

思考の末、僕がそう切り出した。


「準備?明日すぐ行かないの?」

ラクスがそう応える。


「そう準備だ。いままでの傾向からすると、敵がドンドンつよくなっていっていると思う。どういうことかというと、1階ホブゴブリン1体、二階ホブゴブリン2体、三回ホブゴブリン3体、4階ホブゴブリン4体となっている」

「そうだったなァ」

ガルクがそう応える。


「これは順番に強くなっていっているように見えるけど、実際にはかなり急に強くなっているんだ。強さというの、数に素直に比例しない。強さは二乗倍。1,2,3,4のそれぞれの二乗倍になっている。つまり、1、4、9、16倍だ。最初のホブゴブリン1体に比べて、最後のホブゴブリン4体はなんと16倍も強い」

「そうなのね」ラクスが応える。


「そう、これは、攻撃と防御があるからわかりやすい。攻撃力も4倍、防御力も4倍になる。圧倒的な強さになるんだ」

「おにいちゃんあたまいいです!」とミコルちゃんは言った。


「なので、チーム戦には圧倒的、必勝法があって、まず数を減らすということ。そうすると一気に圧倒的有利になる。」

「なるほどなァ」ガルクが関心した。


「それから、一対一の場合、相打ち覚悟だと、結構な戦力差を覆すことができることもポイント。これはなかなか実際にはできなくて、ゲームでの話になるけども」

「ゲーム?」ラクスが聞いた。

「ああ、昔の話。そういうシミュレーション。つまり想像をする方法があったんだ。ほんとに死なないで、もう一度復活する場合、そういう風になる。逆にいうと、自分は傷つかずに、相手だけ倒すのは相当な戦力差がないと厳しい。」

「なるほど、そういえばそうね」ラクスは言った。


「なので、我々の戦力を考えつつ、しっかりとチームで戦っていく必要がでてくる。」

「なるほどなァ」ガルクはそう言った。

「おにいちゃん頭いいです。」ミコルちゃんはそういった。


「なので我々の戦力をしっかり確認しておく必要があると思う。」と僕は言った。

「なるほど!やりましょう!」ラクスは目を輝かせていった。


「じゃあ、ラクスから。ラクスの特徴はなに?」

「そうね。なにかしら、素早いこと?」

「たしかにそうだね、素早く鋭い一撃というのがラクスの特徴になってくるだろうね。軽く長い剣で一瞬で切るこむことが出来る。それがラクスの強さ」

僕がそう答えた。


「そうだなァ、ラクスが本気でうごいたらなかなか捉えられないなァ」

「そうだよね。鋭い動き、と鋭い剣戟がラクスの特徴だよね。それからスキを逃さない、洞察力。これがセットで大きな効果を発揮しているんだ。セットで身につけていたんだね。しなやかな動きで自分の力を増幅していることも特徴だね」と、僕はこたえた。


「そして、次はガルク」僕はそう言った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る