第六十七話 魔導の塔十階とはじめてのボス

なんとかホブゴブリン4体を倒し、

しっかりと休憩し、次の階にきた。

しっかり休憩しないと、

かなり厳しい戦いになることがわかっていた。


5階を過ぎてから、かなり難易度が上がっていた。

毎回倍どころではない強さの敵が現れる。

10階はボスということを

5階でキャットシーが教えてくれていたので、

しっかり休憩をしてきた。


「よくきたニャァ」

おもむろに、キャットシーが登場した。

これは5階ごとに

キャットシーが来てくれる流れなのだろうか

ミコルちゃんが喜びそうだ。


そう言うか、いなか

「あ、にゃぁ、にゃぁだにゃぁにゃあ」

ミコルちゃんが、ダッシュしてキャットシーに近づいていった。


「にゃぁにゃぁじゃないニャ、キャットシーニャ」

ひらりとミコルちゃんを避けるキャットシー

めげずに、方向転換して向かっていくミコルちゃん

このままだと、永久にミコルちゃんとキャットシーが追いかけっこしてしまう。


話が進まないようなので、ミコルちゃんを捕まえる僕。

「むぐぐぐ、にゃぁにゃぁ」

悔しがりバタバタするミコルちゃん。

ミコルちゃんを抑えつつキャットシーを見た。


「もういいかニャ?」

「はい、お願いします、キャットシーさん」

ミコルちゃんを抱えたまま、話を進めてもらうように

ジェスチャーした。


「よくぞ、ここまできたニャン!お待ちかねの10階ニャン!」

「あ、そこからはじまるんですね。脚本があるのかな」

と、僕はぼそっと笑った。


「しかし、もう10階かぁ、長いようで短い!」

僕はいままでの事を思い出してきた。

キャットシーにあったのも随分昔のことのようだ、

まだまだ先があると思うと、大変やら楽しみやらだ。


「お待ちかねのボスニャン!楽しむといいニャン!」

「スポーツ感覚っすね」

ヒマになってくると、そういう感覚になるのかな、と思った。


「じゃあ、登場していただくニャン!シルフさんニャン」

「あ、そういう登場のしかたなの」

僕は笑った。


「なにこの雰囲気、めっちゃ、登場しづらいんだけど」

と、シルフと紹介された少年が照れながら入ってきた。


「あ、こんにちわ!ぼくシルフです」

「ぼくと言っても400歳ニャン」

「キャットシー余計なこといわない」

ビシっとシルフさんがキャットシーを突っ込んだ。


「みなさんも、今のは聞かなかったことにしてね!」

「わかりました。」

みんなが頷いた。


「しかし、シルフ!いきなり大物だ」

僕はそう思った。

シルフは結構RPGゲームに出てくる大物の精霊だ。

「あ、君はナオヤくんだっけ?僕のこと知っているんだ?」


「はい、書物で読んだことあるだけですか」

ほんとはゲームだけど

「そっか、じゃあ始めよっか!」

そうシルフが言った瞬間、僕は後ろの壁にぶつかっていた。


「そう、僕は風の精霊シルフだよ」

四大精霊のうち一人のシルフがそう言った。

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