第187話
だからその日は家に帰っても、まるで落ちつかなかった。
丹波の告白ではなく先ほどのヤンキーたちの会話がしつこく脳を支配していた。
彼らは明日、丹波を探し袋だたきにするといっていた。
探すということは、まだ丹波の住まいまではあいつらにばれていないということだ。
そして、先ほどのヤンキーたちが丹波についてのうわさを知っていたことからもうひとつの予想もついた。
丹波の命を狙っているもっとやばい連中にも、丹波の住まいはばれていない。
それだけがせめてもの救いだろうか。
あとは丹波が立ちよりそうな場所を把握しているから、そこでヤンキーたちは張りこみをするつもりだともいっていた。
だが、そこに丹波が毎日立ちよるかということまでは誰にもわからない。
願わくば明日は一日、丹波に家からでないでほしいが、そんなことをいったところでどうなることやらわからない。
もっとも願ったところで、どうにもしようがないこともわかっている。日曜日には外出しないようにと丹波に連絡をとろうにも、その手段が今の私にはない。月曜日に学校でつたえるのでは、どう考えても遅すぎる。
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