第17話
もっといえば顔の感じは、モンゴロイド百という雰囲気ではない。
体内には日本人だけのものではなく、べつの血がはいっているのだろう。どこか白人的というか、確実にコーカソイドが混ざっているといった感じがする。
顔立ちはとにかく綺麗だ。うつくしい。
彫りが深いというよりも、でるところがでて、引っこむところが引っこんでいるといった感じ。それでいて、ちっともごつごつとした感じはない。むしろ、さっぱりしていて童顔な印象を受ける。骨格レヴェルで綺麗なのだろうか、立体的だがのっぺりした曲線の印象だった。
おそらく肌がとてつもなく綺麗だというのも、彼をうつくしく見せるひとつの要因だろう。すっと一本、鼻すじがとおっていて、薄いくちびるは固いへの字で結ばれている。
まゆ山とまゆ尻の太さに差がないととのえられた綺麗なまゆ毛と、アンバー系の瞳を持つふた重の目の距離がこれでもかっていうくらいに近い。というか、ほぼまゆと目が一体化している。そして目にはじゃっかんの影が落ちている。
しかし、それよりも目を引くものが彼にはあった。
それは髪の色。
ヤンキー矢野の茶髪がかわいいと思うくらいにおもいきり金髪なのだ。しかもクリアでやたらと発色のいい色。そんな髪の色とあいまって、どこか近よりがたい、怖い雰囲気も持っているようだった。
「丹波は」
担任が転入生を紹介する。
「おばあさまがアイリッシュ系のアメリカ人だそうだ。ご両親は日本人だが、今はおばあさまといっしょにむこうで暮らしている」
なるほどと思った。
私のなかでのイメージが、担任のくれた情報とつながる。
どおりでこれだけまっ金きんの髪でも怒られないわけだ。通常ではゆるされないが、ここにも特例がでているのだろう。
この髪が染めたのではなく天然の金髪だから。
それなら校則違反にならない。
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