実験室編46

俺たちはバーバラの言っていたとあるものを己自身の中に発見する

それは何とツバサは風の力…

俺は龍の力だった


そして俺は目を開ける

そこにはツバサとバーバラが今か今かと待ってるようだった

ツバサは言った

「ワタル…見つけたんだね!」

「ああ見つけたよ」

しかしツバサは驚いたように言う

「でも凄い力…」

バ-バラも興味深そうに聞いてくる

「ワタル…一体なにを見たんだい?」

俺は答える

「ある生物がいたんだ」

「生物…?」

二人は興味深そうに聞く

「龍がいたんだ」

「龍ぅ!?」

二人は驚きの声をあげる

「凄いじゃんワタル!」

へへっとワタルは鼻を鳴らすとまた得意げに言った

「それに話したんだぜ…その龍と」

「死にかけたけどな(笑)」

「凄い凄-い!!」

ツバサは目を輝かせ自分のことのように喜んでいる

「僕も龍のほうが良かったなぁ」

「ツバサには風があるだろ」

「え--」

そんな風に二人は盛り上がっていた


しかしバーバラだけ蚊帳の外にいた

それはある事に気づいていたからである

「おいおい…」

「龍と会ってただってぇ!?」

「しかも話したぁ!?」

「そんな話今まで聞いたことすらないよ…」

「今までいろいろな書物や文献を読みあさってきたがそんな事例もない」

「私やフロ-ラルやシェリルだってそうだ」

そして思う

「それにワタル…ツバサ…」

「これがどんな重大なことか分かっていない」

「普通の者が自分の中に龍がいるはずなんてないんだ」

「いるはずなんてないんだよ…!」

「普通じゃないんだ…」

それと同時に激しく胸が締め付けられるのを感じた

「ワタル…お前はこの先どんな過酷な運命を…!!」

い-や過酷なんてもんじゃすまされない…!

もっと辛く苦しい運命が待ってるはずさ…!

それを背負って゛…!!

この先のワタルの運命を想像をするといたたまれなくなる

そして思わず泣きそうになった


するとワタルはバーバラの異変に気づいて聞いてきた

「バーバラ…なんで泣いてるんだ?」

バーバラは自分では気づかなかったが泣いていたようだった

ツバサは心配そうに見つめる

するとワタルは何か気づいたかのように言った

「何だ…嬉し泣きしてくれたのか」

バーバラは答える

「ば、ばか…そんなわけないだろ!」

バーバラは答える

「またまた照れちゃって」

「まぁそういう事にしておこうかね」

ワタルたちは勘違いしてるようだった

バーバラは何も言わなかった

この若さでそんな過酷な運命を知る必要はない…

そう思ったからだ


何か重-い沈黙が続く

ワタルたちは何かイヤな予感がする

もしかして少し調子に乗りすぎか?そう思ってるようだった

そしてバーバラは言った

「ワタル…ツバサ…」

「この先辛い…苦しい…」

「そう思ったら私たちを呼びな…」

「遠慮しなくたっていい…!」

「魔王相手だろうが魔界の裏側だろうが人界だろうがそんなものは関係ない…!!」

「駆けつけるから…」

「いつなんどきでも私たちはお前たちの味方だよ…」

そう言った

バーバラの精一杯の言葉だった

「う、うん」

ワタルたちは何を言ってるんだ?という表情をしていたが

バーバラは誤魔化すように言った

「さぁ…!修業の続きだよ!」

今はこれでいい…

そして今わたしにできる精一杯のことをしてやろう…そう思った



「さて次は第二ステップだね」

「次は魔法をうつことから始めようかい」

ワタルたちに喜びの顔が浮かぶ

やっと魔法をうつことができる…喜びもひとしおだろう

「まずはあの巨木を再び見てごらん」

バーバラは言う

「前やった通りにあの巨木を目に焼きつけて目を閉じる…」

「それから強くイメージするんだ」

俺たちは言われた通りにする

頭の中にあの巨木が実体のように浮かぶ

前のときよりより鮮明に見える気がする

そしてバ-バラは言った

「何か感じないかい?」

確かに感じていた

「何か胸の中…いや心の中の力が溢れてる感覚だ…」

「そうそれこそが魔力の源さ」

「そして…」

「それを開放してやりな」

「開放…」

「ああそうさ」

「その胸の中に秘めたる力をあの巨木に向かってありったけ解き放つんだ」

「強く強く…」

「分かった」

「ツバサもいいね?」

するとうん!という元気な返事が返ってくる

ツバサも準備OKのようだった

胸の中の力の枷が外れようとしていたのが分かっていた

そしてあの龍の顔が浮かぶ…!

一気に力が溢れてくるのが分かる!

開放しろ…開放…

心の力を…解き放て!!!

「はぁああああぁあ-----!!」

「いっけえぇぇぇぇぇ----!!!」

そして自分の心の力が解き放てられるのを感じる

その魔法は見事巨木に命中した…!

それと同時に耳にズド--ン!!という激しい衝撃音が聞こえてくる

心臓がトク…トク…と脈をうつ

するとバーバラの声がしてきた

「ほう…初めてにしてはなかなかやるじゃないかい」

そっと目を開ける

「こ、これは…!?」

俺たちは目の前に広がっている光景に衝撃を受けた…!


その驚くべき光景とは…!?

それは次回のお話です

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