弐章

英雄

挿話壱/精霊の星

地球と云う星において、長い時の流れの中、人類は幾重もの歴史を積み重ねてきた。


時に争い、時に助け合いながらも、次々と新たな歴史を積み重ねていく事で繁栄を続けていく事となる。


そんな人類も永遠なる繁栄が約束されている訳ではなかった。


栄枯盛衰。


諸行無常。


行き過ぎた繁栄が衰退を招いて、自らを滅亡へと追いやってしまう。


そして地球もまた、幾多の生命と同様に永遠なる存在とは為り得なかった。


いつしか地球も自らの寿命を全うする事になる。


更には地球のあった宇宙でさえ、例外ではなかった。


永遠とも錯覚しかねない程の長い時を隔てて、地球のあった宇宙もいつかは消滅する事になる。


しかし同時にそこでは新たな宇宙が誕生して、新たな宇宙の創造が始まる事になった。


その宇宙にも、また、幾つもの星が誕生する。


中には地球と同様に様々な生命を生み出し育む星も幾つかあって、そんな星の一つにこの精霊の星があった。


そして精霊の星でも地球と同様に人類が誕生して、その人類が精霊の星の歴史を刻んでいく事になる。


現在、精霊の星には大陸が三つ存在して、その大陸の殆どが北半球にあり、それぞれ、炎の大陸、氷の大陸、風の大陸と呼ばれていた。


氷の大陸は全て北半球にあって、炎の大陸の三分の一程度と風の大陸のほんの一部が南半球にあるだけであった。


北に氷の大陸、東に炎の大陸、西に風の大陸。


南半球はその殆どが海であった。


そして、その精霊の星において統一戦争が勃発。


現在はその統一戦争後の世界であるが、その前後の流れを簡単に纏めておく。


─────


統一戦争が起こる以前、氷の大陸には大小合わせて五十程の国家があって、大陸の大きさは炎の大陸と同じくらいであった。


一方、炎の大陸には余り大きな国家は無く、全部で百程の国家が乱立。


風の大陸は氷の大陸や炎の大陸に比べると、半分程度の広さで三つの大きな国家に支配されていた。


そして長い間、どの大陸においても各国家間の争いが絶えなかったのだが、そんな中で氷の大陸にあったじょうの国が露衣土ろいどに乗っ取られてしまう。


その露衣土は力ずくで自らを皇帝に就かせ、浄の国を露衣土帝国に変えて、統一戦争を始める事になったのである。


露衣土は国家間の対立が争いの根源と断定して、この精霊の星を一つの国家の下に纏め上げる事、それが真の平和への道であると世界中へ訴えて、統一戦争を続けていった。


そして統一戦争を始めてから約三十年もの年月を経て、露衣土は多くの民衆から支持を得る事になり、この精霊の星は露衣土帝国の下、纏め上げる事となって、統一戦争は終結を迎える。


同時に露衣土帝国の皇帝である露衣土は英雄として崇められる事になっていく。


しかし、その後も逆らう者を排除し続ける露衣土の政策に反発する者も増え続けて、再び各地で争いが勃発してきていた。


今でも露衣土を英雄として崇める者は少なくなかったが、その一方で新たな英雄を求める機運も高まりつつある。


そしてまた、戦乱の日々へと戻りつつもあった。

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