第3話 妖艶! 悪魔元帥デモニカ!

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 突然だが、皆さんは魔法について、一体どうお考えだろうか。


 どうお考えだろうかもなにも、魔法は魔法だ。ファンタジーだ。

 そう思ってる方も多いだろう。


 それは実際その通りで、魔法とはまさに、ファンタジーなものである。


 カボチャが馬車になったり、鏡を話し相手にしてみたり、魔法を使って掃除をしようとして、ホウキが暴走して大騒ぎになったり。


 呪文一つで炎や氷を出したり、相手を即死させたり、逆に蘇らせたり、一度行ったことのある街へ、一瞬で移動したり。


 杖を一振りすれば、相手が吹っ飛んだり、呪いをかけたり、ホウキに乗って金色の玉を追いかける謎のスポーツにきょうじたり。


 可憐な美少女がステッキを振り回して変身して、困った人を助けたり、悪い魔物を倒したり、自分の願いを叶えようとして、酷い目にあったりする。


 実に様々な形で、実に様々な事象を起こして見せる、魔法。


 魔法の定義は拡大の一途を辿り、その専門家でもない者にとっては、それは奇跡と同義と言ってもいい。


 人の手には、到底叶えられない、常識を飛び越えた、非常識な節理。

 それが、魔法だ。



 魔法が使えれば、と思った人も多いだろう。


 魔法が使えれば、この退屈な日常が、どれほど光り輝くのだろうかと、夢想した人も多いだろう。


 魔法使い、魔導士、魔術師、魔女、魔法少女……、魔法を使う者の呼び方は知っていても、実際に、本当に、魔法を使う人間を、誰も見たことがないだろう。


 普通なら。


 しかし、魔法は実在する。


 そして、いざ魔法を使おうとするならば、その人は、存外ぞんがいに大変な苦労をすることになるのだ。


 人の手には余る、常識を飛び越えた、非常識な節理を、人の手で操るには、まさに人並み外れた才能と努力が、果てしなく必要となる。


 今まで魔法には縁のない、普通の一般市民として生きてきた俺は、それを嫌と言うほど、思い知ることになる。


 本当に、嫌と言うほど。


 これは、俺と、悪の組織と、――魔法のお話だ。



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