誰の証言を信じればいい? 誰が幽霊で、誰が本物の人間なのか

 何を信じ、何を疑えばいい……。

 人里離れた山の中。そこで遭遇する「不穏なもの」の数々。
 一つが怪しく見えてしまうと、全てが怪しく思えてくる。そんな感じにじわじわと足元が崩れていくような感じが不安感を醸し出してきます。

 電話ボックスから聞こえるという幽霊の声を検証した帰り、一人の老人と出会って「女と遭遇しても車に乗せるな」と警告される。

 その帰り道で少年と出会い、恨めしそうな目で見られる。

 何もかもが薄気味悪く見え、「ここでどう選択するのが正しいのか?」と主人公と一緒になって何度も考えさせられました。

 信じるべきは老人の言葉か。それとも、途中で出会った少年の方か。
 人智を越えた霊的な何かも関わっているため、五感から入る全ての情報が信用できない。そして正しいと思って行動したはずなのに、後になって「情報」を検査してみると……。

 この足元のおぼつかなさこそまさにホラーな不安感。夏の情緒漂う蝉の声が響く風景とと共に、じわじわと恐怖心をかきたててくれる点が面白かったです。

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