この手の創作論は、えてして論者の思想の押し付けや、創作者の不安や孤独に付け込むアジテーションになりがちです。
しかしこちらの作者さんは、現実の残酷さ、シビアさを、丁寧に言葉を選んで伝えながらも、その上で読者の選択を強制せず、むしろその選択を尊重してくれています。この配慮が、とても嬉しいです。
具体的な例を取り上げて下さっているのもいい。
渾身の作品があまり読まれず、悔しい思い、悲しい思いをされている方は、このコラムに一度目を通してみるといいかと思います。
その上で、自分で選択する。WEB小説に適応するようにあがくか、それとも茨の道と分かりながらも、それでもと歯を食いしばり我が道を行くのか。
その判断材料として、このコラムはうってつけだと保証します。
「面白い作品を書けば、自然と読まれる」――そんな単純な話ではないWeb小説の世界を、改行やタイトル、更新頻度、SNSでの宣伝など、かなり具体的な視点から分析している作品です。
特に興味深いのが、作品の面白さと「読者に見つけてもらうこと」を別の問題として捉えているところ。Web小説ならではの画面構成やブロック読み、ランキングを「残高」ではなく「流量」として見る考え方など、実際に投稿している作者だからこそ出てくる視点が多く、なるほどと思わされます。
短編を使って反応を確かめる方法や、作者自身の制作スタイルを「デイトレ型」「積立型」と考える話も面白いです。
単なる「ランキング攻略法」ではなく、Webという媒体で小説を書くとはどういうことなのかを考えさせてくれる創作論。
「自分の作品はなぜ読まれないんだろう?」と一度でも考えたことがあるWeb作家なら、参考になる部分が見つかる小論だと思います。