ま、まさかというような、思わぬ「パズルの絵」が見えてくる

 繋がりが見えたところで「ええええ!?」と声が出そうに。

 主人公の置かれている奇妙な状況。
 井戸の底のような場所で、生活に必要なものはすべて用立てられるという「ある種の道足りた生活」を送っていた。

 そんなある時に、自分以外にも同じように井戸の中で生かされている人間が何人かいることに気づく。

 自分はどうしてここにいたか。そもそも自分は誰だったか。隣の井戸にいる人間にはどこか見覚えがある。

 そんな風に記憶がぐらついた後、彼は思わぬ事実を垣間見ることに。

 本作品を最後まで読むと、以前日書かれた「俺にはわかる」、「僕には聞こえない」の短編と繋がりがあるのではないか……という事実が見えてきます。

 それらの作品を単体で読んだ感じだと、「Xの印がある人物」の末路などは、割と救いというか希望があるような、というような印象もありました。

 ……からのこの展開!

 まさかまさかのこの変転にとにかく驚愕。やはり人智の及ばない存在、常識の通じない存在には「共感」や「理解」を求めるのは難しかったのかもしれない。

 一作一作でも楽しめる作品ですが、三作品を併せて読むとパズルの答えが見えてくるように思わぬ絵が見えてくる。そんな強烈な存在感を持った作品でした。