都内に暮らす高校二年生の星川響は、韓国帰りの元アイドル練習生・小日向叶と出会う。たまたま響の弾き語りを聞いた叶は、「一緒にアイドルになろう」と声をかける。叶に誘われて初めて韓国アイドルのライブに参加した響は、その熱意と輝きに目を奪われ、少しずつアイドルへの夢を抱き始める。
主人公の星川響は将来の夢もなく、これといって熱中できる趣味もない普通の高校生。そんなどこにでもいる平凡な少年がアイドルになっていく成長が眩しいんです。
これまでの響は、「できる」「できない」と挑戦する前から自分で線を引き、夢を持つことさえ諦めていた。けれど本物のアイドルに圧倒され、生まれて初めて「やってみたい」という衝動が生まれる。まるで運命に肩を叩かれたように、空っぽだった内面に一気に溢れ出してくる情熱と興奮に引き込まれるんです。
誰しも人生には、たった一度の出会いや、何気なく見たものによって、それまで価値観が一変してしまう瞬間があります。それが子供から大人への階段を登る、最初の一歩でしょう。もちろん、不安や迷いもある。それでも前へ進もうとする響の姿には、夢を持つ楽しさと、新しいことに挑戦する勇気をもらえます。
響と同じように、毎日をなんとなく過ごしてしまっている読者も多いのではないでしょうか。そんな方にこそおすすめしたい作品です。きっと貴方の「やってみたい」を見つける手がかりになると思います。
(「男だって輝きたい」4選/文=愛咲優詩)