夏の虫たちへ注ぐ視線の優しさ

第1話の「夏の虫」5首に、特に心惹かれました。

ミミズ、ダンゴムシ、といったメジャーな虫から、
外来種の蛾・キオビエダシャクといったマイナーな虫まで、
それぞれの虫へ注ぐ作者の視線の優しさが、
命の尊さを伴いながら詠まれています。

3首目。

鉢のふちメダカの餌食うダンゴムシたまに水ぽちゃ泳げるのかキミ

メダカのエサを狙って、
一心に鉢のふちを行くダンゴムシ。
しかし、たまに鉢の水の中へ落ちてしまうものもいて、
その愛らしい姿が愛情あふれる語り口で描かれていて、
とても魅力的な1首です。

この炎暑を生きる私たち人間と同じ生き物として、
虫たちの生態を繊細に描写した、
小さな生命へのまなざしが光る短歌集と言えるでしょう。

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