翅の眼
- ★★★ Excellent!!!
蛾や蝶の翅にある大きな眼の模様を『眼状紋』というそうだ。
主人公は虫が好きな子供であり、友達と遊ぶより虫取り網を握り締めて昆虫を追いかけた。
ある日の帰り道、通りかかった公園で、数人の子供らがホームレスらしき寝袋に投石している現場を見た。
が、何も言えずに立ち去った。
そんな物語を締めるのは、夏の早朝。
朝焼けの下、誰もいない公園で主人公が目撃した幻想的な光景だ。
細やかな描写に読み手も見惚れてるように読んだ。
最後の一文で突き落とされる感覚。
夏空を羽ばたく眼状紋が見える。
それは恐ろしくて、そして美しかった。