タイトル通り、17年間ひたすら公園の壁にボールを投げ続けてきた野球未経験の主人公が、なぜかプロ野球選手になってしまう物語。
設定だけ聞くとかなり無茶なのですが、読んでみると「17年間の壁当て」がちゃんと主人公の武器として活きているのが面白い。野球のルールは漫画で知っている程度。体力や基本プレーは及第点以下。コミュ力も皆無。
1人だけ完全に場違い。
けど、限定的な投球という一点でプロを打ち負かすレベルに仕上がっている。この極端なアンバランスさが、癖になる作品です。
とはいえ、主人公一人で無双するわけではなく、投球以外はチームメイトたちに全力でおんぶに抱っこ状態。トリッキーな戦術の要として、自分にしかできない役割を果たそうとする姿には、陰キャらしからぬ熱さもあります。またプロになってもコミュ障で陰キャなオタクという部分は変わらず、打席を怖がったり、投球日以外は「休み」と喜んだり、一般人感覚が抜けきらないというところも魅力の一つだ。
「一点特化型。特化しすぎて、他がマイナスレベル」
そんな主人公なので、王道とは一味違ったプロ野球ものを楽しめる作品です。
(「才能だけじゃ、物足りない! 型破りな選手たちの挑戦」4選/文=まろでぃ)