多様な「愛」が織り成す、熱量MAXのお仕事ファンタジー×ドラマ!

 愛って何だろう。恋愛?友愛?
 実は本作を読んで一番最初に感じた愛は、作者様の北海道愛、そしてカクヨム愛でした!
 言葉、実在する場所や産業、自然など、いろんな描写は北海道支部だからこそのもの。付け焼き刃の知識や単なるお国自慢ではなく、ストーリーや世界観を掘り下げ、「北海道支部の空気」や「日常」といったものを肌で感じさせてくれる、素晴らしいものだったと思います。舞台が北海道支部である、小説としての必然性も感じました。
 物語の中には魅力的な設定がいっぱい。自分は神格鑑定局の世界設定を一切読んでいなかったので、どこまでが公式でどこからが独自設定なのか知らないまま、全部にワクワクしました。そんなふうにワクワクできたのは、未知の設定を自然な流れで理解できるよう描写してくださった作者様の手腕のお陰です。そしてそれは、作者様が公式設定をしっかり吸収して、しっかりコラボしたからこそ出来たことと思います。後でビックリしたのですが、神格汚染コインランドリー「禊」って公式設定なんですかぁ!
 どの公式設定をチョイスし、独自設定を盛り、どんな掘り下げ方をするか。こちらの作品は、公式が築いた強固な土台の上に創作された物語であると同時に、作者様自身の魅力が詰まった作者様自身の作品なんだということを強く感じました。
 そんな作者様自身の持ち味だと自分が思っているもののひとつが、ヒューマンドラマです。
 今作で印象的だったのは「見守る」という姿勢でした。七色や古峯のキヨや真白に対する姿勢もそうなのですが、真白の逃げもある意味「守る」ということに繋がりますし、キヨの真白やカンザシ、ニタィに向ける眼差しも相手を大事に思ってこそのものと思います。カンザシの抱く「好き」にだって奥行きがあります。微妙なニュアンスのものまで全部を引っくるめて、すごく「愛」に溢れている作品だと思いました。
 そういった登場キャラ同士の関わりや空気感の中で、キヨだけでなく、真白もカンザシも自分の抱えている何かと対峙し、キヨの配属前とは少し違う自分になれたように思います。そういった成長の部分も、もちろんドラマです!
 他にも、個性あるキャラたちがクルクル動き回るのが楽しかったり、笑いありハラハラありの展開に引き込まれたり、すごく夢中になれる4万文字弱でした。初っ端からすごかったです。何この人、めちゃグイグイくるし色香すげぇな、みたいな。

 キャラの魅力や、ファンタジーの中にあるリアリティー、深みのある心理描写等は、実際に読んでみた時にだけ感じることのできるものと思います。
 カクヨムシェアワールドに、そして作者の月子様のワールドに、ぜひ多くの方に飛び込んでみてほしいです!

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