タイトルから漂う妖艶で不穏な空気が読む者の好奇心を刺激する最高の物語!


中学生の頃、通学路にある廃屋に強烈な引力を感じた雄流が、意を決してその場所に足を踏み入れるところから、物語は動き出します。

そこで彼が出会ったものは、現実離れした圧倒的な美貌を誇る風彦という少年。彼に強く惹かれたのですが、その時は、すぐに忘れてしまう。

時を経て、雄流が再び彼と出会うのは十年ほど後。

大人になった彼は、幼馴染の言葉から風彦の存在を思い出します。ふたたび彼と出会った彼は、流されるままに少年のままの彼と『結婚』してしまうのです。


この物語は単なるホラー作品ではありません。

恐怖や戸惑いを通り越し、抗いがたい情欲や執着へと変質していく過程が非常にスリリングに描かれた心理小説とも読めるのです。

「妖魔」という存在がもたらす非日常的な恐怖と、BLというジャンルが持つ濃密な感情描写が見事に融合して、読んでいるこちらも廃屋の湿った空気感に飲み込まれるような感覚に陥ります。

残酷な描写や性的な暗示を含むストーリー展開は、この先、雄流と風彦の間でどのような愛が形作られていくのか、その先の予測を困難にさせます。

ホラーテイストの強い耽美な世界観が好きな方に、ぜひ読んでいただきたい一作。

短いエピソードの中に凝縮された危うい関係性と、物語の続きが待ち遠しくなる中毒性を強く感じる作品です。

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