面白く、素敵な純文学


 発想の段階でもう面白く、話運びに巧みさがある。無駄な説明はせず、ささやかな会話やアクションによって淡々と物語が展開してゆく。
 微かに漂う謎と不穏な気配に……それでも慌てず、呼吸を乱さず流れてゆく日常にリアリティと爽やかさがある。

 こういうのが上等な純文学なのだろうなぁ。そう思いながら読み進めるのだが、単にハイレベルなだけではない。
 瑞々しい感性に裏打ちされた描写に、ふと、枇杷や山椒の香りが漂ってきそうだ。素材やモチーフの全てにセンスが光っており、上手く言えないが、そこはかとなくオシャレな雰囲気もある。

 でも、小難しい感想は必要ないだろう。
 ただ一言、面白かったです☆