瀬戸内海の港町で起こる怪異

 瀬戸内の港町で起こる不思議な現象。

 喫茶あさがおで姉を手伝いながら、旧映画館通りの編集社「帆ノ緒舎」に勤める主人公は、町で「道返し様」と呼ばれる恋人とともに、町の小さな怪異に向き合います。

 それは、坂の途中で子どもの帰り道がずれたり、祭りの提灯の並びに空きを作ったり、閉店間際の喫茶には届かなかった言葉が残ったり、今はないはずの坂の景色が写真に写ることも……。

 ——恋人は怪異を祓わない。
 向きと順番を読み、返すべきものを返す。
 
 ——主人公は紙と記録の側から、ずれた出来事に“置き場所”を与える。
 怪異を倒すのではなく、返し、置き、整える。

 祖父の残した日記を読み解き、怪異と向き合う2人。大きな事件はまだ起こらないけど、町に住む人々の言い伝えやホラー要素を含む展開にゾクリとすることも。

 ——果たして、『返し、置き、整える』とは、どのような方法で、どのようにすればいいのか……。

 じっくりと読み進めることで、読者も不思議な世界へと引き込まれていきます。今後の展開が楽しみです。


(第14話 提灯と一緒に人は減る 拝読後のレビュー)

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