手に入れた地図によって迷宮の中の既知の危険を視認し回避した盗賊。
彼が直面するのは、未知の見えざる脅威でした。
迷宮の宝物庫に置かれた、願望の成就を為す器物。
その宝を求めた盗賊の顛末は、果たしてどうなるのでしょうか。
本作を読む方は、興味を持って盗賊の行く末を追う事になるはずです。
ダンジョンクエストという、オーソドックスな道具立て。
でも物語が進むうちには、きっと初めて読んだジャンルのような新鮮で鮮烈な印象を受けることになるのです。
そして、息を詰めるように目で追った物語の結末には、悠久の時間の流れを感じせる読後感へと導かれる事でしょう。
1,189文字の奇妙な美しさと怖さに溢れた端正な短編小説です。
ご一読をお勧めします。