愛着とは寝かせることで熟成するもの。


 子供の頃、それは週刊のマンガやアニメを観ていた頃、焦らされながらも、続きが気になっていた。
 数少ないお小遣いから買った本は、隅々まで読み尽くした。

 大人になって、あの頃読めなかった名作達を一気読みしてみると、面白いには面白いのだが、そこまでか? という気持ちもどこかにはあった。

 それは時代が進んだからなのか、感性の変化なのか、それとも。



 物事を不確定なまま置いておくのは、少しの間であっても強い負荷がかかるものである。
 だから人はなるべく確定させたがる。そうするとスッキリするのだ。

 しかしスッキリするということは、引っ掛かるものがなくなることを意味している。

 例えではアニメや漫画を出したが、それは本作の対象である小説や、ゲームや、その他のコンテンツにもそのままあてはまる。

 昔は環境がこちらを焦らしてくれたわけだが、今は簡単に全容がわかる。スッキリできてしまう。

 意識的に焦らされる。不確定や不安、ストレスの中に身を置く。その中で作品への愛憎を育てていくのだ。

 順風満帆だけが愛着ではない。

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