理性ある破綻と、その継続。


 その人の趣味はホラー小説の執筆と死体鑑賞である。

 そんな言葉を大真面目に語られたら、後者については「ああ、映画やゲームの話ね」と割り切ってしまうだろう。

 比喩でもなんでもなく、本当に死体鑑賞を嗜んでいるのだが、その人には理性もあるので、決して明かすことはない。

 この物語はその人の原点から、今に至るまでどのように続いてきたかの話。

 あまり怖くはない。
 一般的なホラーはガヤが騒ぎ立てたり、叫び回るから怖く感じられるのだ。

 対してこれは静かだ。落ち着いている。黙って事象だけを見つめているのだから、怖いはずはないのだ。