カクヨムに投稿していた作品の星が、突然20個も減るという体験をされた作者。
同じ投稿者として、とても気の毒な出来事ではありますが、作者はその経験から素晴らしい作品を書き上げました。
登場するのはカクヨムの星ではなく、空に輝く星です。
主人公の青年は傷心旅行先のバス停で、竹久夢二が描くような若い女性と出会う。
バスは遅れているようで、青年が周囲に咲くマツヨイグサを眺めていると、女性が徐に空へ手を伸ばし……
とても幻想的でありながらも、一筋縄ではいかない作者の作品だけあり、意外な結末が待っています。
余談になりますが、
レビューの表題は、この話を読んで思い出して、数十年振りに聴いた、たま(さよなら人類の)の「星を食べる」からのか引用です。
レビュータイトルでふざけてしまいましたが、お話はとっても素敵なんです。
「青年」が失恋した心を癒やそうと旅に出る。そこで「美しい女性」に出会い──というもの。
それが、静かな文で美しく描き出されるのです。もう最高です。
最高ですので、まずはこのまま、なにも知らずに読んでみてください──ってだめだ!
作者さまがもうキャッチコピーで真実をぶちまけていらっしゃるッ!
いやあ。
「星が消える」
想像するだけで、夜がひどく暗い恐ろしいものに思えますが、我々カクヨムユーザー(特にカクを楽しむ側)にとってその想像は、また別なものになり、また別な恐ろしさを搔き立てます。
作者さまはその「星が消える」というカクヨムにおける恐怖体験の中でも特別強烈な体験をされています。
これはその体験によって生まれた、恐ろしくもそれ以上に美しい奇譚。
「ASMR」とのタグがありますとおり、小説でありながら「音」も楽しめる素敵な作品です。
いろいろな方向から楽しめるうえ、短篇ですので時間をかけずに何度でも繰り返し読める、とびきり贅沢な一作。
ぜひ、たっぷりとお楽しみくださいませ。