概要
教科書が1行で片付けた事件の裏には、歴史上最も悲しい夫婦の愛があった。
1914年6月28日、サラエボ。
オーストリア=ハンガリー帝国の次期皇帝を乗せたオープンカーが、暗殺者の目の前で「エンスト」を起こした。
その距離、わずか1.5メートル。時間が止まったような『13秒間』
なぜ、何万もの軍隊に守られているはずの次期皇帝が、護衛もいない袋小路で無防備に立ち往生してしまったのか?
その理由は、暗殺者の鮮やかな手腕などではない。
「ルート変更の連絡を運転手に伝え忘れた」という、あまりにもお粗末で致命的な兵站の崩壊だった。
結核に冒され、死を覚悟した19歳のテロリスト。
見栄と保身のために、最悪の警備計画を強行した権力者たち。
そして――身分違いの結婚を呪われながらも、最期の瞬間に自らの命を投げ出して夫を庇った美しい妻と、血を吐きながら「子供たちのために生きて
オーストリア=ハンガリー帝国の次期皇帝を乗せたオープンカーが、暗殺者の目の前で「エンスト」を起こした。
その距離、わずか1.5メートル。時間が止まったような『13秒間』
なぜ、何万もの軍隊に守られているはずの次期皇帝が、護衛もいない袋小路で無防備に立ち往生してしまったのか?
その理由は、暗殺者の鮮やかな手腕などではない。
「ルート変更の連絡を運転手に伝え忘れた」という、あまりにもお粗末で致命的な兵站の崩壊だった。
結核に冒され、死を覚悟した19歳のテロリスト。
見栄と保身のために、最悪の警備計画を強行した権力者たち。
そして――身分違いの結婚を呪われながらも、最期の瞬間に自らの命を投げ出して夫を庇った美しい妻と、血を吐きながら「子供たちのために生きて
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!『サラエボ事件』その凶行の余波は、全世界に悲劇を招いた。2発の銃弾で。
【この作品は、是非読むべき作品です】
第一次世界大戦が勃発したきっかけ
『サラエボ事件』
教科書に必ず載っている、この事件だが
恥ずかしながら、私は、詳しい背景を知っていなかった
この事件によって、凶弾に倒れたのは
オーストリア次期皇帝夫妻
これ位は、教科書に書かれていたが
この夫妻が、実は世紀の大恋愛の末に結婚した
『身分違いの結婚』であったこと
この夫妻に、大切に育まれていた、3人の子供達が居たこと
生母の身分が低かった為に、冷遇され
継承権を生涯与えられなかったこと
次期皇帝夫妻を、殺傷した若者が放ったのは、たった2発の弾丸
その結果、世界の情勢が動き始めた
戦争を…続きを読む - ★★★ Excellent!!!極上のクライムサスペンス。そして因果は燎原の火のように広がった。
ヨーロッパの歴史ものが大得意なてっぺいさんが、1914年のサラエボ事件を題材に書かれた骨太の作品です。読み応えばっちりです。
サラエボ事件というと、「ええと、確かオーストリアの皇太子夫妻かなんかが凶弾に倒れて、第一次大戦とか、ロシア革命とかに繋がっていったんだよなあ。怪僧ラスプーチンとかいたなあ」くらいのイメージしかなかったのですが、本作を拝読して、こんなに深い人間臭いドラマが潜んでいたのかと驚きました。
本作の前半は、サラエボ事件の実況中継です。まるでフォーサイスの「ジャッカルの日」のように、被害者と加害者を俯瞰しながら、スリリングに事件の顛末が追われています。
後半は、それによ…続きを読む