エネルギー問題解決の光明かと思わせて。
- ★★★ Excellent!!!
無視できない違和感を喚起させる一文で幕を開ける本作には、腕につけた感情発電機という装置を通して感情を電力に変換することが可能になった世界が描かれている。
しかもその装置、リアルタイム処理のみならず、過去の感情にも対応可能らしい。
制御しきれない感情に振り回された経験は、きっと誰にでもあるはずだ。
余剰がそのまま発電エネルギーになるのなら一挙両得ではないかと思ってしまうが、主人公の友人であるノムラの変貌を通して感情発電機の問題点が見えてくる。
『大切なものは失ってから気付く』と言うが、感情発電機の一部となった彼らはなにが大切なものだったのか気付くことも出来なくなっているのではないだろうか。
夢のような技術とその落とし穴が招いたディストピアを描く王道SF。