私はこの作品を読んでいて、「花冠」という題名の意味をずっと考えてしまいました。
アルテナは半魔だから嫌われるのではなく、誰よりも愛することを諦めなかったからこそ傷ついてしまう少女なのだと思います。そして、そんな彼女の前に現れるのが、永遠を生きる呪われた魔女ロリエッタと、自分を凡人だと思い込んでいる王子ブラント。この三人の関係がとても面白いです。
特に印象的だったのは、強さの描き方です。魔法が強い、剣が強いという話ではなく、それぞれが心の傷を抱えながら前へ進もうとする姿そのものが強さとして描かれているように感じました。
また、龍が残した謎や千年戦争の真相など、壮大な設定があるのに、物語の中心にはいつも「誰かを理解したい」という優しい願いがあります。その温度差が不思議と心地よいです。
王道ファンタジーが好きな方にも、重厚な世界観や伏線を考察するのが好きな方にもおすすめしたい作品です。読み進めるほど、アルテナの頭に最後はどんな『花冠』が飾られるのだろうと、つい見届けたくなることでしょう。
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最大の魅力は、主人公アルテナの成長です。
過酷な過去によって心に深い傷を抱え、自分自身を受け入れられずにいた
少女が、世界一の魔法使いロリエッタとの出会いをきっかけに少しずつ前
を向いていく姿が丁寧に描かれています。
ただの師匠と弟子ではなく、家族にも似た温かな関係性が作品全体を優し
く包み込んでいます。シリアスな展開の中でもこの二人の交流が読者の心
をほっとさせてくれます。
強くなるための修行だけではなく、『生きること』を学んでいく物語になっ
ているため、自然とアルテナを応援したくなります。
物語が大きく動き出すのが第8話、第9話。
カルヴィナ王国第七王子・ブラントが、ロリエッタに魔法を学ぶため二人
が住むペルムの森へやって来ます。最悪とも言える出会いを果たした
アルテナとブラントが、どのような関係を築いていくのか。
互いに傷や未熟さを抱えた二人だからこそ、どのように心を通わせ、支え
合う存在になっていくのか、非常に楽しみで続きが気になる作品です!
とてもとてもおすすめです!
現実の人間社会においても歴史的には混血児は双方の人種から疎まれる存在であり、それを主題とすることによってファンタジーでありながらリアリティが感じられる物語になっていると思います。異なる民族や異なる宗教の間の諍いというのは私たちの世界でも古来から現代に至るまで続いていますが、双方の起源を持つものが困難を乗り越えてその不幸に終止符を打つというストーリーなのであれば、読者にとても大きな希望を与える作品になり得るかもしれません。
あと、言葉選びと言葉運びがとても美しいと思います。作者殿は文章を書くことが本当にお好きなんでしょうね。物語のこれからが楽しみです。
この小説を読んで思ったことは、ズバリ『熱』である。即ち、本作はとっても泥臭くて、とっても熱い小説なのだと思うのだ。
人と魔の両方の血を引く少女、アルテナ。人からも魔族からも忌み嫌われ、世界の膿として虐げられてきた彼女が、仲間達に助けられながら運命に抗っていくストーリーが本作の魅力であると思う。師匠の合法ロリことロリエッタや魔王の息子のブラントと共に、人里離れた魔境で修行を続ける姿は、まさに健気で応援したくなる。自分の運命がどれだけ残酷で救いようがなくても、人生を投げ出さずに抗う少女の姿は何よりもかっこいい。
努力は才能というが、アルテナは努力の天才なのだろう。
まずプロローグから壮大です。
古い本を手に取り読み始めることで幕が上がる物語は、やがて過去へと一気に引き込んでいきます。
人族と魔族の血筋を持つ少女アルテナは、抗うことのできない運命の中で、自身のあるべき場所を求めていきます。
緻密に構成されているのがわかるだけに、物語の形成プロセスを想像しながら読んでおりました。
それほど各話での作り込みが豊かで、情景描写は目の前に浮かぶほど丁寧です。
異世界なのにこれほどリアリティが付与されているのも、そんな安定した筆致によるものだと感じました。
アルテナが抱える苦しみや葛藤は、師との関わりによって希望ある方向へ。
まだ完結してない段階ではありますが、先行きがとても気になる心に迫る成長物語です。
物語は三百年以上前に書かれた本を、少女が手にした場面からはじまります。
日記のように綴られる会話劇に、少女も夢中になって読んでしまう。
そして、物語は今から過去へ。
先人の築いた『闇』と『光』の歴史書が、ページをめくります。
ヒロインは人族と魔族、二つの血筋を持つ少女アルテナです。二つの種族から忌み嫌われる存在のアルテナは、最強魔法使いと出会うことから運命は変わります。
彼女の成長と孤独を穏やかな文章で綴り、脇を固める登場人物は感情豊かで好感が持てます。エピソードへ続く流れは自然で、感情表現を所作や視線で読み手に訴える。文章に無駄のない作品と言えるでしょう。
争いが絶えないこの世界で、魔法使いの弟子となった少女アルテナ。
彼女の行く末をご一緒に見守って頂きたい。
おすすめです。是非ご一読を!!