序盤は普通のラブコメかなと思ったら……とんでもないものを読んでしまった、という感想を最後に抱きました。
まず、この物語は颯太と春香という兄妹の会話から始まります。
二人は血が繋がっていないらしいです。
軽妙な掛け合いが続いていき、二人の仲の良さに微笑ましさを感じたのですが、ちょっと仲が良すぎるような気もしてきたところで、なんだか不穏なワードがいくつか出てきて、「あ、これはただの恋愛作品じゃないぞ!」と気づきました。
世界観や設定、二人の関係や心情、この作品は様々なことをにおわせるだけで、詳しく説明されない。いろいろ自分で推測しながら読む必要があって、なかなかに大変な作業だけど、しかしそれがすごくいい!
美しい恋愛作品であると同時に、とても深いテーマやメッセージ性を持った素晴らしい文学作品でもありました。
普通の恋愛小説じゃ満足できない、そういう方に特にオススメしたい作品です。
スティーブン・キング・エフェクトをご存知だろうか👀?
知ってるはずはない。
さっき、わたしがでっちあげたばかりだから。
スティーブン・キングといって、どのようなお話(映画)を思い浮かべるだろうか?
わたしの場合。
①スタンド・バイ・ミー
②ペット・セメタリー
①は、テッパン。
少年でも、少女でも、あの主人公の男の子になる。
『ぼくは、行くんだ。
必ず、死体を見つける』
自分でも、理由のわからない意地を張る。
ソレが、アオハルってもんだ。
②エキセントリックな牧師の俳優さん。
アレ、誰だ😓?
と思ったら、キング本人だった。
わたしは、①も②も知っている。
けど、どちらかしか知らないと、困惑してしまうこともありそうだ。
鋏池穏美様
スティーブン・キングみたいな作家様✏️✨
ソレしか書かない。
(イヤ、書けない)
そんな、作家とは、わけが違う。
どっちを書いても、抜きん出る。
今回のお話。
①オア②?
······③だった。
ヤッパ、ガチでスゴいぜ😳!
ぜひぜひ、お読みくださいませ😊
何とも言えない余韻が、寂しさとか切なさとかを残してくれます。
颯太と春香が久しぶりの再会を果たす。血のつながらない兄妹として絶妙な距離感にいる二人。
そして春香はあえて「自分を恋愛対象」として見させるかのように、ちょくちょく「好き」みたいな言葉を紛れ込ませ、颯太を翻弄しようとする。
なんというラブコメが始まっているのか! と思わぬ甘々感ににやにやとさせられそうになります。
おかしいな? これ書いてるの、ホラー恋愛が得意なあの人だよな? と一体どんな心境の変化があったのだろう、なんてことが頭の中に去来する。
いやいや、たまには普通のラブコメも書きたくなる心境もあるかもしれない。ここは純粋に楽しむべきだ、と思って読み進める。
……そして!
もちろんホラーではない。それでも、心の中にチクリ、チクリと何かを感じさせられる。
二人がすごく幸せそうだから、軽妙で、絶妙な距離感があるから。だからこそ、このラストの余韻がチクチクと胸を突きさし続けます。
こういうことが、いずれ本当に世の中では起こるのかもしれない。技術の進化によって、それを受け入れる者とそうでない者。そして「新」と「旧」の隔絶を作り出す。
そんな「過渡期」を予見した、切なさに満ちた作品でした。