薄暗い旅路にささやかな灯火を。

主人公は、半ば罰ゲーム的にこの温泉宿にやってきた。

経緯は少しだけ複雑である。
が、簡単に言い直して仕舞えば、社会を生きる上で特に女性が感じる閉塞感や理不尽をぶつけられたような理由である。

期限切れまじか。設備も中の下ほど。
一泊二日。


……

しかしそこのには、夜になるとキャバレー「フルーツ☆スキャンダル」が姿を表すのだ。
このご時世に、この辺鄙な場所に、キャバレー……?


このキャバレーがまたなんとも。
寺山修司的というか唐十郎的というか、見るからに近寄ったら危険な雰囲気を醸し出しているのだ。しかしなし崩し的に誘われる主人公。





人間は、生きており社会に順応しようとする以上、本能だけで生きるわけにはいかない。
つまり選択が強いられるわけだ。
その選択の結果というのがまた厄介で、「あちゃあこれは明らかに失敗だった」と思ことは多々あれども「よし、これはうまくいったぞ」などと思える選択というのは悲しくなるほど少ない。
すなわち、選んだ選択の道のうえを「これで、よかったんだろうか?」と祈りながら進むしか無いのだ。
それは人間は未来を見通す能力などなく、過去の結果しか知ることができないからなのであろう。
薄暗い道を、少しでも明るく照らす魔法の言葉は無いものだろうか……?


みなかみ先生の作品はいつも、
繊細な心に寄り添い、助言を与えてくれることもある。
このひとこそカウンセラーなんじゃないかとすら思うこともある。


私は胸を抉られました。

ぜひ、ご一読を。


















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