これが「終わり」とならないように。「やり直し」の時間を与えて欲しい

 物語を最後まで読み終えた後、「この二人の時間が、出来ればもっともっと続いて欲しい」と願わずにいられなくなりました。

 アンネローゼ、と呼ばれるアストリッド。
 彼女は自分の居場所を確保するため、「アンネローゼ」という女性に成り代わる形で今の結婚生活を送ることを続けていた。
 
 そして、夫のマティアスが病床に。彼女は必死に無事を祈ります。

 見えてくるアストリッドの事情。そこから垣間見えるマティアスの本心。

 もしも、これが別れになってしまったら、あまりにも悲しすぎる。もっと早くにちゃんと心から向かい合えていたら、アストリッドの心がどれだけ軽くなり、幸せな時間を送れたことか。
 だからこそ、もっと時間をと、そう彼女たちのために祈りたくなる。そんな切実で素敵な場面を描いた物語でした。

その他のおすすめレビュー

黒澤 主計さんの他のおすすめレビュー2,381