幼馴染にフラれた男が、その幼馴染に恋愛相談する話
タヌキング
お前にしか出来ないんだ
私の名前は山下
まぁ、とにかくフッたんだけど、何故か帰り道でまた一緒になったの「アンタ部活は⁉」ってアタシが聞いたら「サボったよ♪」って笑顔で言うから呆れて物も言えないわよ。ということは私に再び告白してくるかもしれないと私は身構えたんだけど、健一って進化するタイプのバカなのよね。だから私の想像の斜め上を行ったのよ。
「恋愛相談に乗ってくれないか?」
「……はっ⁉」
ここまで心の底からはっ⁉って言ったことは無いと思う、だって意味が分からないでしょ?昨日フラれた男がフッた女に告白するとかこんなことってあり得るの?
「まさかアンタ、もう他に好きな人が出来たの?」
「バカを言うな、俺は一途なんだ今でもお前が心の底から好きだ‼」
キュン……ちょっとキュンとしちゃったじゃない。だけでそうなると意味が分からない。
「じゃあ、なんで私に相談するの?私がフッたんだよ?理解してる?」
「あぁ、充分に理解してる。昨日は悲し過ぎて、寝る時に枕がびしょびしょになった。だがしかし、諦めたらそこで試合終了、俺は再びお前に告白をする為に、他でもない本人であるお前に相談することで成功率を上げようと考えているんだ」
なるほど、賢いかバカでいったら間違いなくバカの部類に入る考えだけど、これも幼馴染のよしみだ、恋愛相談に乗ってやるべきだろう。
「で、何?なんでフラれたか知りたいの?」
「知りたいな‼」
圧が凄いな、どんだけ知りたいんだよ。知りたいなら教えてやるのが世の情けか。
「イカリングの話の後ってのあるけど、あんたファンクラブ出来るぐらい人気じゃん、そんなアンタと私が付き合ったら、私にどんな危害が及ぶか分からないじゃない。だから告白断ったの、私だって命が惜しいからね」
「えぇ‼そんなことなのか⁉ファンクラブの皆がお前の命を奪うなんてことは無いと思うぞ‼」
「いやいや、アンタのファンクラブ過激なテロ集団って言われてんのよ、アンタと付き合ったのバレたら、家に火炎瓶を投げ込むぐらい平気でやってくるわよ」
「マ、マジでぇ、俺のファンクラブ怖いじゃないか」
自分のファンクラブの恐ろしさを今更知った健一は身震いしている。これで引いてくれたら助かる、私の実はコイツのことを幼稚園の時から好きなんだから、あんまりグイグイ来られるとOKを出してしまいそうになってしまうのだ。
「じゃ、じゃ俺はどうすれば良い?どうすればお前と付き合える⁉」
必死かよコイツ。まぁ必死だわな、フラれた相手に恋愛相談してるぐらいだし。ここで私は極めて現実的で実現可能な案を出すことにした。
「ま、まぁ、高校卒業の時にアンタが私のことを好きで、そのタイミングで告白してくれたらワンチャンあるかもね。か、勘違いしないでね‼あくまでワンチャンだから‼」
自分のツンデレ気質は自覚している。でも素直になれないのが乙女心ってやつよ。
健一は少し考えた後、決心した様にこう私に告げた。
「分かった‼その間に甲子園で優勝して、スカウトされて球団に入って、高校卒業と同時にお前にプロポーズするよ‼」
「急にレベル上げてくんなよ‼重いわボケナス‼」
シパーン‼と健一の頭を叩く私。だけど結婚してプロ野球選手の嫁になって、田辺夫人と呼ばれるのも悪くないかもしれない。
幼馴染にフラれた男が、その幼馴染に恋愛相談する話 タヌキング @kibamusi
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