最強の「観測者」、ドゼ。300年の眠りから覚めた彼は、破壊の限りを尽くす少女、ミジュと出会う。
壊すことでしか愉悦を見出せない彼女に、ドゼは指導と称して様々なことを教えていく。
SF系ダークファンタジーというのでしょうか、ファンタジーだけで収まらない独特な世界観が魅力のお話です。
ドゼもミジュも有り余る力を有している反面、気持ちを伝えるのはとても不器用。それがどこか人間らしく、感情移入できます。
どこか根本は似ている二人が、ドゼは論理的に、ミジュは無垢に、少しずつ他人を愛するということを知っていく。その過程が見事で読み応えがあります。
重厚な世界観、不器用な二人が少しずつ歩み寄っていく物語が好きな方にはおすすめの本作です。
300年の眠りから目覚めた主人公のドゼ。彼は暴走している少女――ミジュと戦い、彼女を圧倒し、拘束する。それからドゼはミジュを救うために彼女を指導することになる……という物語です。
なんといっても、緻密な設定と作り込まれた世界観が魅力的です。硬質な文体も世界観や設定にによく合っていて素晴らしい。
ジャンルはファンタジーですが、主人公が理数系で科学的な設定や用語がたくさん出てくるので、SF作品を読んでいるような気分になります。
あと、主人公の無双っぷりが爽快です。
戦闘描写も迫力があり、やっぱり主人公が強い 作品っていいなと感じました。
キャラクターも立っていて、主人公のドゼはとても強いのに料理が下手なところとかが愛嬌があっていいです。
重厚なファンタジー作品でありながらエンタメ性も高く、SFが好きな人にもファンタジーが好きな人にもおすすめです。
異世界ファンタジーやホラーを主戦場とする、6月流雨空(むつきるーく)さんの最新作です。完結したばかりです。
あまりに世界観が壮大で、わたくしなどでは上手く説明が難しいのですが、ストーリーは、かつて人の心を持たなかった最強の観測者ドゼ(演算魔法の使い手)が、とある老婆と暮らしたことで愛に目覚め、300年の時を経て巡り合った狂気の戦闘少女ミジュを「指導」することで、徐々に人間性を取り戻させ、ともに戦って平和を勝ち取るというお話です。その通りなんですが、う、うまく言えん! くやしい。。
とにかく作者様の構想が細部までとても緻密で、それを冗長にならずにストーリー展開し、演算魔法を駆使したバトルシーンも臨場感があって大迫力です。そしてなによりキャラ造形がいい。特に指導を通して、徐々にドゼに惹かれていくミジュの心象の変遷はとても愛らしく、読者として深く感情移入してしまいました。最後は「夜の指導」まで出てくるしw
毎日アップされるのを心待ちにして読んでいました。
大変完成度の高いSFだと思います。お勧め致します。
魔法を数式やログデータとして捉え、事象を書き換える「観測者」の圧倒的な力が魅力だ。 無機質な演算能力を持つ主人公が、破壊兵器として作られた少女に「指導」という名の救済を与える過程が、歪ながらも切なく描かれる。 過去の絶滅と再起、進化の行き止まりを巡る哲学的テーマが物語の核にあり、冷徹な理屈の裏に潜む不器用な優しさが、ポスト・アポカリプスの世界を鮮やかに彩る。
ポスト・アポカリプスや能力バトルを好む人。 圧倒的強者による「指導」と執着の物語に惹かれる人。 理知的な主人公と情緒不安定なヒロインのバディものを読みたい読者におすすめできる。