桜を見上げる人々と同様に、人々を見下ろす桜にもきっと想いがある

日本人は桜が好き。
花を咲かせる木々は多いですが、膨らむ蕾を見て春を待ち通しく思い、開いた花を数えて高らかに開花宣言する、そんな木は桜だけではないでしょうか。

そんな桜の、一本の老木が、その命を終えようとしています。

それを見守り、最期の言葉を聞くのは、花の王子。
綴られる彼等の会話と心情は、優しくて柔らかく、そのものが春の空気のようです。

桜を見上げる人々と同様に、人々を見下ろす桜にもまた、たくさんの思い出があって、それらを懐かしく愛おしく感じるのかもしれない。
そんな風に思える、春の宵にぴったりな短編でした。
お勧め致します。

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