儚いからこそ美しい

 日本人を魅了し続ける桜。その美しさと儚さをこの作品は存分に味わわせてくれた。

 この物語には、春の花の王子だという二人の人物、紅と蒼が登場する。
 二人は酒を飲みながら桜を見ていると、老木から十二単を着た美人が現れる。
 彼女は桜の精らしい。

 三人は会話をするのだが、それはとても短い時間で、すぐに別れの時が来てしまう。
 桜の精は寿命を迎え、消えてしまい、老木は倒れてしまう。
 儚い最後だが、しかしだからこそ美しいと感じる。

 流麗な文章で紡がれる幻想的な物語。いつまでもこの美しい世界に浸っていたいとさえ思ってしまった。
 是非ご一読を。

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