人の心を癒し続けた一本の桜。そんな「務め」の終わりを温かく見守る

 美しくて、幻想的で、そして儚い。

 桜の花。毎年の春になると、人の目を楽しませてくれる、とっても尊いもの。
 
 本作はそんな「桜の花」を愛でる二人の王子が登場します。
 紅と蒼。二人は「春の花の王子」とされ、人ではない神格的・精霊的な存在だということが伝わってきます。

 二人はそっと、桜の老木を見つめ、桜の精である清子と対面する。

 老木となりながらも美しい花を咲きほこらせ、同時に儚く散ってゆく。

 桜の花は美しいけれど、散るのもとても速い。天候に恵まれなければ誰かに鑑賞されることなく満開の時を終えてしまうことも。

 そんな「刹那の美」を持った桜の「最期」を神のような二人が看取るという、静かだけれど、とても温かで心に迫るストーリーでした。

 桜の花は毎年の春になると人の心と目に潤いを与えてくれる。一本一本がとても愛おしくて、大切したい存在なのだな、ということを改めて感じさせられました。

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