早春の浜辺。満ちて行く虚無。
- ★★★ Excellent!!!
春まだ浅い遠浅の浜に潮干狩りに来た男。
ひょんな事から同僚の誘いに乗ってみたものの
想像していた以上の穴場だったのだ。
貝類は苦手だったが。ヤドカリが美味いと
聞いて興味を持った。
潮の香と波の音。そして地元民でも滅多に
訪れない、穴場の浜の風景。
爽やかな早春の海。
美味しい海の幸を存分に収穫した彼らを
待っていたのは…。
全く予想だにしなかった結末。
『かむな様』とは一体何なのか。
博識な作者の言葉の謎かけ。
『かみな』『ごうな』さて、これらは
一体何ものなのか。
グラリと視界が揺れて 何か が満ちる。
知らぬままに絡め取られる、主客転倒。
曖昧になる意識の中で尚、満ちて来るもの。
それは諦観でもあったのだろうか。