タイムスリップする物語は数多くありますが、本作は一味違いました。
読みながら思わず「こういうタイムスリップの方法があったか!」と膝を打ちました。
どんな方法でタイムスリップするかは、是非読んで確かめていただきたいです。
未来に行くという意味において、この方法もある意味でタイムスリップなのだと初めて気づく人も多いのでは?
そんなわけで、主人公は色々あって12年後の世界にタイムスリップ。
科学技術も進んでいて、見るもの、聞くもの、目新しい物ばかり。しかも、12年という比較的短い期間のタイムスリップのため、タイムスリップ前に関係を築いていた人たちは、まだまだ元気に存命。
再会できて嬉しい反面、この状況が主人公を苦しめることにもなります。
なにせ、つい先日別れたばかりの感覚の友人が大人になってるんですから……
戸惑って当然ですよね。
そんな主人公が、サポートしてくれるAIや周りの人々のおかげで、少しずつ前に進んでいく――ハートフルなSF青春譚です☆
主人公の灯は小学生の時、病気が見つかり未来に治療を託すためコールドスリープします。そうして目覚めてみると……世界は12年後。妹が年上のお姉さんになっていました。
12年ですからね。知り合いゼロの浦島太郎とまでいかないのですが、逆にこの12年がややこしいというか繊細な変化を産んでしまうのです。
それに時代は着実に進んでいきますからね。AIの進歩もすさまじい。
最初はこの12年の差で周囲に馴染めなくて悩んでしまう灯なのですが、頼りになるアドバイザーを得て、また理解ある周囲の人達のおかげでクラスにも馴染んでいくのですが……。
文化祭の準備でトラブル発生、スペシャルゲストがまさかの知り合いなど、落ち込んでばかりもいられない。灯は悩んだりもしますが、基本前向きで、友だち想いの優しい子なので、読んでいて応援したくなります。
SFと聞くと設定説明が難しそうに思えるのですが、この作品はとても読みやすく、テンポもよくて、まだまだこの世界を楽しんでいたくなる。
ちょっぴり切なくて愛に溢れているハートウォーミングな作品。おすすめです。
病気のためにコールドスリーブをした小学五年生の灯。
12年後、目覚めて復学した学校は、コールドスリーブ前と違い、AIを使うのが当たり前。
以前との違いに戸惑う灯は、コールドスリーブしていたことで嫌でも注目を浴びてしまう。
新しい環境でやっていけるのかと悩む灯だが、両親からオーダーメイドのスマホを渡され、スマホのAI「アイ」に悩み相談をする中で少しずつ気持ちも変わってきて……。
未来の小学校はこんな感じかもしれない、というわくわくする舞台設定のなか、悩みを抱えながらも少しずつ前を向いていく灯りちゃんの姿に、思わず応援したくなりました。
特にラストにかけては毎話、読みながらうるっとなってしまい、涙があふれてしまうことも……。
胸がじんと熱くなる良作、ぜひお読みください!
コールドスリープののち、時田灯が目覚めたのは12年後の世界。
かつて小学校で同級生だった友人たちは大人になっており、妹さえも自分より年上に成長している。
そんな世界で灯ちゃんは、かつての母校である小学校に通いはじめます。
物語では主人公の戸惑いや孤独など、内的な心情が丁寧に描かれており、共感することしきり。
とても優しい物語であり、読みやすくてテンポも良く、サクサクと読みすすめますが、しかし、テーマにはしっかりとした重みがあって、素晴らしい作品です。
SFが苦手な方でも、きっと入りやすく、「時間」と「成長」をめぐる静かなドラマとして楽しめる作品だと思いました。
ぜひ、お読みください。
個人的には、12年後に存在する、良く出来AIを、私も欲しいと思っています。