優しさの皮をかぶった最悪の恋

語り口の柔らかさと、語られている内容の恐ろしさの落差がすごい作品でした。

最初は少し歪んだ恋愛の思い出話のように読ませておいて、「リード」という言葉の意味が少しずつ変わっていく流れが怖かったです。

彼女を救っているように見えた行動が、最後にはすべて誘導だったと分かる瞬間、読み手の足元がすっとなくなる感じがありました。

それでも語り手の声は最後まで穏やかで、そこがいちばん嫌で、いちばん惹きつけられます。

甘さと気味悪さが同じグラスに注がれているような、後味の残る作品でした。

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