これは面白い。コメディなのにシリアス。ゴッホ兄弟の生涯を描いた傑作!

 歴史上の偉人の伝記をコメディタッチで描く、てっぺいさんの画家シリーズ第2作です。
 第1作のフェルメールは、全編これコメディでしたが、今回は、フィンセントとテオのゴッホ兄弟を題材にし、コメディタッチながら、芸術にかける情熱や狂気と言ったシリアスなテーマも内包した重層的な作品となっております。
 ゴッホ兄弟の楽しい掛け合いでお話がコミカルに進みながらも、だんだんと狂気に犯されていくフィンセントの心の変遷が細やかに描写され、例の耳そぎ事件の下りは読んでいて息苦しくなるようなリアルさでした。
 総じて、書き手としての地力の高さがひしひしと伝わってくる傑作だと思います。

 また、有名な「ひまわり」だけではなく、「星月夜」や、「ガシェ医師の肖像」などの名作の解説も加えられる親切設計。読み進める中でネット検索して美術鑑賞も楽しめます。
 二人の不幸な結末に疲弊したところで、最後はオマケでifものが。生涯一枚しか絵が売れなかった、フィンセントとテオの兄弟が、現代のオークション会場に転生、58億円の値付けにぶったまげるというストーリーで笑わせてくれます。

 いろいろと大充実の本作。
 とてもお勧めです!

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