異世界を通じて心の傷を扱う物語は、その独特で深みのある世界観によってグイグイ引っ張ってくれます。
それほど読みやすく、登場人物が魅力的。
何事によらず心の傷を扱うのは難しいものですが、だからこそ丁寧な描写による世界は、読みながら癒され、共感する箇所も多く感じました。
回復魔法は、物語の人物を治癒するのみならず、現代に通じた何かをも癒している。
読みながらそんな印象を受けたものです。
巻末にある作者の方の丁寧な解説も読み進める手助けになってくれました。
そんな気配りは、物語の深みにも反映されている気がします。
わたくしはシリーズの他の作品をまだすべて拝読してないものの、この物語ですでに世界観の奥深さと、主人公の魅力を感じております。
当然のようにシリーズの別作にも手を伸ばしたい衝動に駆られる、幅広く癒す力のある物語です。