ホラーも笑いも涙も、全てをバランスよく兼ね備えた好編!

 幻想的な純文学作品お得意の遠部右京さんの最新作。
 今回は、てやん亭(でい)今竹松(こんちくしょう)の語る、小噺になります。
 
 物語は、とにかく地味な主人公佐藤のお腹にできた出来物が、次第に顔に、しかも美女になっていく、というところからスタート。ある時、出来物が話を始めたので、驚いて聞いてみると、「私は前世にあんたに惚れていた遊女さ」ということです。
 佐藤は皮膚科の鈴木医師のところに行って診察を受けると、鈴木が意外なことを言い出します。。

 これはよい作品でした。ホラーも笑いも涙も、全てをバランスよく兼ね備えている。 純文学が書ける人は、人の心を揺らせる人だから、笑いも涙も取れるんですよね。
 すったもんだの展開の中、読者ははははと笑い、グスっと泣かされ、最後は、ざまあでサゲもすっきり。

 コンテストのホラー部門に出されるんでしょうか。
 きっと健闘すると思いますよ。

 これはお勧めです。

その他のおすすめレビュー

小田島匠さんの他のおすすめレビュー2,019